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土地付き太陽光発電物件購入!物件選びで抑えるべきポイント4つ

土地付き太陽光発電は、潤沢な資金や土地がなくても始められる資産運用の1つ。 安定した利益率と高い利回りを両立できることから、多くの投資家に注目されてきました。しかし、どれを選んでも利益が出るわけではなく、場合によっては想定外の損失に悩まされてしまいます。

今回は、土地付き太陽光発電へ投資するメリットやリスク 、物件選びのポイントなどを解説しましょう。

土地付き太陽光発電とは

土地付き太陽光発電は、土地と太陽光発電所が一体となっている投資商品です。

太陽光発電投資を始めるにあたり、太陽光パネルを設置するための土地が必要となるものの、発電設備を建てることに適した広い土地を保有しているケースは多くありません。だからといって、太陽光発電投資を始めるために、自力で発電に向いている土地を探して購入するのは困難です。

土地付き太陽光発電は、上記のようなハードルの高さを解決し、太陽光発電投資を手軽なイメージに変えた投資商品なのです。なお、土地を購入する土地付き太陽光発電のほか、土地を借りる「借地権付き太陽光発電」も存在します。借地権付き太陽光発電も、土地がセットになっている点では土地付き太陽光発電と変わりありません。しかし、土地は契約者の所有物にならない点には注意が必要です。

契約内容によっては契約者の意思で期間の延長ができず、FIT制度の期間終了後に「太陽光発電を続けたい」と考えても、土地の借地権を失ってしまう可能性があるからです。そのため、FIT制度の期間終了後も引き続き事業を行う可能性があるなら、契約者の希望で契約を延長できるか否かをチェックしておくべきです。

土地付き太陽光発電へ投資するメリット

土地付き太陽光発電は、安定したリターンが期待できる資産運用の1つ。以下のようなメリットを持っており、堅実な資産運用を目指すとき有力な選択肢に挙げられます。

  • FIT制度により20年間の安定利益が期待できる
  • 表面利回りは10%、実質利回りは6~8%前後と利回りが高い
  • 空室リスクがなく、1年を通して一定の稼働率が期待できる
  • ローンを利用して、少ない自己資金でも始められる
  • 土地を保有していなくても太陽光発電投資を始められる

土地付き太陽光発電は、発電した電力を一定価格で買い取ってもらえる、FIT制度(固定価格買取制度)の適用対象です。適用期間は20年と長く、FIT制度により中長期的な安定利益が期待できます。 また、不動産投資のように「空室」の発生を心配する必要がなく、初期費用はローンによって賄える点も魅力的。これらの特徴を備えた投資商品を、土地を用意せずに運用できることが、土地付き太陽光発電のメリットです。

なお、メリットの1つに登場した「表面利回り」と「実質利回り」の詳しい解説は、記事後半でご説明します。

土地付き太陽光発電へ投資するリスク

土地付き太陽光発電は、安定した利益率と高い利回りを備えている優れた投資商品ではありますが、以下のようなリスクがある点を念頭に置かなければなりません。

  • 気象条件が悪く、発電量が想定を下回るリスク
  • 災害により太陽光発電所が損壊するリスク
  • 不良施工や悪徳業者に遭遇するリスク

不動産投資における空室のように、稼働率がゼロになる可能性こそ低いものの、気象条件により発電量は左右されます。 また、自然災害による被害事例も報告されており、場合によっては太陽光発電所が半壊、あるいは大破したケースがあることも事実。

そのため、特に自然災害に関しては、損害保険の加入を勧められる場合が多く、可能な範囲でリスクに対策する姿勢が求められます。なお、不良施工や悪徳業者に遭遇するリスクは、業界の成熟にともなって減少しつつあります。

土地付き太陽光発電は転売できる?

土地付き太陽光発電は、購入してから20年のあいだ保有を強いられるわけではありません。
FIT制度は20年間続くものの、オーナーが同一である必要はないため、中古市場に売却してつぎの買い手に太陽光発電所を譲渡することも可能です。

土地付き太陽光発電物件購入フロー

希望条件に合致する投資案件を見つけてから、実際に土地付き太陽光発電を購入して運用するまでのフローは以下の通りです。

  1. 希望条件に合致する投資案件を探す
  2. 販売業者に問い合わせ
  3. 検討候補の物件情報についての連絡・視察
  4. 契約・申請の手続き
  5. 設置工事・系統連系

それぞれ、具体的にどういった工程を踏んで行くのか、順番にご説明します。

希望条件に合致する投資案件を探す

まずは、土地付き太陽光発電の案件を掲載しているWebサイトから、希望条件に合致する投資案件を探します。 投資案件は多数存在するため、希望条件は細かく設定し、理想的な物件を効率的に絞り込めるよう準備することをおすすめします。
希望条件をイメージできない場合は、後述する「物件選びで押さえるべきポイント4つ」をご参照ください。

販売業者に問い合わせ

希望条件に合致する投資案件を見つけた後、販売業者に投資を検討している旨を伝えることで、物件に関する詳細な資料・シミュレーションを受け取れます。
資料請求に費用は発生しないため、希望条件を満たす物件が複数ある場合は、比較検討のために全件問い合わせをすれば良いでしょう。

検討候補の物件を視察する

土地付き太陽光発電は、自己資金がなくてもローンを利用して取得できますが、気軽に購入を決められるほど安い投資商品ではありません。 また、メンテナンス業務は外注するケースが一般的ではあるものの、非常時にオーナーが現地へ駆けつける可能性は十分にあります。
そのため、希望条件に叶う物件だったとしても、現地を確認することなく購入するのではなく、実際に物件の視察に赴くことを推奨します。

契約・申請の手続き

物件を視察し、契約事項や見積もりなどの諸条件に問題がなければ、契約を結ぶことになります。高額な投資商品の取引であるため、契約内容から不明な点があるまま締結に進まないように注意しなければなりません。 なお、ローンを利用するにあたって、借入の選択肢が複数あることに留意してください。銀行や信用金庫を始め、利用できる機関はいくつかあります。

  金利の目安 審査の難度 審査期間
銀行・信用金庫 1~2.5% 非常に厳しい 1ヶ月前後
日本政策金融公庫 1~2% 厳しい 1ヶ月前後
信販会社 2.5%前後 易しい 数日(最短で即日)

ローンを利用できることで知られる銀行や信用金庫のほか、太陽光発電投資では日本政策金融公庫や信販会社の利用が候補に挙げられます。

日本政策金融公庫は、政府系の金融機関。年利1〜2%程度の低金利で借りられるケースがあり、ローン利息の負担を極力減らしたい場合に選ばれます。しかし、提出する書類数は多く、審査が厳しいため融資実行に至らない場合も少なくありません。

対する信販会社は、販売業者と連携しているクレジット会社です。審査基準は銀行や日本政策金融公庫より易しく、提出しなければならない必要書類も少ない傾向にあるため、最小限の手間・労力でローンを利用できます。

これらに比べて、銀行は特に審査基準を厳しく設定しているケースが多く、審査には融資希望者の年収や勤続年数をもとにした「属性」という指標を参考にするため、希望者の職種によっては審査通過のハードルが極めて高いのです。

それぞれに一長一短あるため、一概に良し悪しを決めることはできないものの、時間をかけずスムーズに契約を進めたい場合には信販会社を利用するケースが大多数です。

設置工事・系統連系

契約の締結後は、諸手続きを行い工事が始まります。設置工事が完了したのち、電力会社の立ち会いのもと送電線網と太陽光発電所を繋ぐ「系統連系」が行われます。
なお、太陽光発電投資を行うにあたり、電力会社や経済産業省に申請を行わなければならないものの、業者に対応を一任するケースが一般的です。

設置後は継続的なメンテナンスが必要

太陽光発電所の設置が完了したあとは、売電により継続的な収入を得られます。
なお、メンテナンスフリーではないため、除草や修繕などのメンテナンスが欠かせません。管理を怠れば、太陽光発電所の発電効率や寿命へ悪影響を及ぼすことに繋がるため、必ずコストを割いてメンテナンスを実施してください。

物件選びで押さえるべきポイント4つ

投資案件は数多くあるため、押さえるべきポイントを把握して効率的に物件選びを進めなければ、土地付き太陽光発電を購入するまでに膨大な時間がかかります。 無作為に投資案件を探す行為は、多くの時間を失う要因になるほか、ライバルに優良物件を奪われてしまうため避けたいところ。そのため、物件選びを進めるにあたり、以下のポイント4つを押さえておきましょう。

  • 予算
  • 利回り
  • 設置エリア
  • 連系時期

また、可能であれば現地に赴いて、設置場所を見学することをおすすめします。衛星写真と販売業者の資料を参照すれば、あらかた案件の概要を理解した気分になってしまうものの、実際に訪問することでしか分からない要素は少なくありません。

たとえば、日光を遮り発電量の低下を招く、背の高い草木の存在。近隣住民が抱く、太陽光発電所の建設に対する意見などです。 そのため、前述した4つのポイントはもちろん、数字をもちいたシミュレーションや衛星写真から読み取れないことを探るため、実際に物件へ足を運ぶのが理想的だといえます。

表面利回りと実質利回りの違い

利回りは、投資額に対するリターンの大きさを指す言葉。たとえば、1,000万円の太陽光発電所を購入し、1年間で100万円の利益を得たとき、1年あたりの利回りは10%です。
Webサイトで公開されている投資案件の情報、販売業者との会話で登場する利回りは、上記のように投資額と利益のみを計算に用いる「表面利回り」を指して使われます。 しかし、実際に投資案件を検討するとき参考にすべき指標は、表面利回りではなく「実質利回り」です。

この章では、表面利回りと実質利回りの違いをご説明します。

表面利回りは「運用コスト」を加味しない利益率

先ほど例に挙げたような、投資額と利益から求められるリターンが表面利回りです。 投資額と利益さえ分かれば算出できるため、表面利回りは使い勝手が良い一方、投資額以外の出費を計算に含めないことから、実際のリターンよりも楽観的な数値が導き出されます。
そのため、表面利回りは物件選びの際、各物件におけるリターンをざっくり把握する目的に利用し、少数の投資候補に絞り込んだあとは実質利回りを使うことをおすすめします。

実質利回りは「運用コスト」を加味した実際の利益率

実質利回りは、表面利回りでは加味しない「運用コスト」を含めて計算し、より実際の運用成績に近いリターンを求めたものです。 太陽光発電投資の実質利回りを求めるにあたり、計算時に考慮する運用コストは以下のような出費です。

  • 清掃や点検にかかるメンテナンス費用
  • パワーコンディショナ等の諸設備を交換する費用
  • 自然災害に備えるための損害保険料
  • ローンを完済するまでに発生する金利
  • 太陽光発電所に課せられる固定資産税

実質利回りの定義は、販売業者によってやや異なるケースがあるものの、主に上記のような出費を加味して算出します。それぞれの計算方法を比較するため、表面利回り・実質利回りの計算式を確認してみましょう。

表面利回り・実質利回りの計算例を紹介

表面利回りと実質利回りの計算式は、以下の通りです。

各利回りの計算式

表面利回り 利益額÷投資額×100
実質利回り (利益額−運用コスト)÷投資額×100

表面利回りと実質利回りにどの程度の差が生まれるのか、これらの計算式に対して具体的な数字を挿入していきましょう。

  • 初期費用:2,000万円
  • 売電収入:200万円
  • 運用経費:30万円
  • ローンの利息:30万円

まず、先ほどの計算式に当てはめて、表面利回りを求めてみましょう。計算式における投資額には「初期費用」、利益額には「売電収入」を当てはめていきます。

表面利回りの計算例

計算式 200万円÷2,000万円×100
表面利回り(%) 10%

計算式をもちいることで、表面利回りは10%であることが容易に分かります。対する実質利回りは、以下のように各項目を挿入していきます。

実質利回りの計算例

計算式 (200万円−30万円−30万円)÷2,000万円×100
実質利回り(%) 7%

表面利回りは10%であったにもかかわらず、計算式から実質利回りは7%であることが分かります。 当然ながら、実際の計算はこれほど単純化された数字ではありません。また、太陽光パネルの劣化率や諸設備の交換費用を加味するため、より高度な計算を行うことになります。

上記の計算例は、あくまで実質利回りのベースとして考え、販売業者が提供する情報をもとに20年のシミュレーションを立てていきましょう。 

  • 売電から自家消費に切り替える
  • 中古物件として市場で売却する
  • 設備を解体して別の土地活用を検討する

FIT制度の期間が終了する20年後には、主に上記のような選択肢が用意されているので、これらを考慮しつつ「出口戦略」を意識した投資プランを練ることが重要です。

おわりに

ローンを利用して投資できる土地付き太陽光発電の存在により、土地や潤沢な資金がないからといって、太陽光発電投資を諦める必要がなくなりました。

しかし、土地付き太陽光発電も投資である以上、簡単かつ確実にリターンを得られるわけではありません。太陽光投資によって成功を収めるためには、都合の良いメリットだけでなくリスクもすべて把握し、不測の事態にも焦らないよう資金繰りを行う意識が必要です。 投資の世界では、知識不足が大きな損失を招くのだと肝に銘じ、本記事でお伝えしたことを参考にしつつ資産運用を始めてください。