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太陽光発電投資で失敗しないために、事前にリスクを理解しよう

多くのメリットを持つ太陽光発電投資は、資産運用として魅力があるものの、失敗を避けるにあたり必要となる基礎知識が多数あります。

今回は、太陽光発電投資を失敗に終わらせないために必要な、リスクに関する事前知識をご説明します。

太陽光発電投資は儲かる?最新事情をお届け!

結論からいえば、太陽光発電投資はリターンを得やすい資産運用です。令和に突入した現在も勢いは止まらず、多くの投資家から有望な投資先として認識されています。太陽光発電投資を始める主な方法は、下記の通りです。

  • 分譲型(土地付き)の太陽光発電所を購入する
  • 保有している土地に太陽光発電所を設置する
  • 太陽光発電ファンドに投資する

分譲型(土地付き)の太陽光発電所を購入する

土地を保有していない場合、分譲型太陽光発電所の購入が選択肢として挙がります。土地と太陽光発電所がセットになった案件から、希望条件を満たしたものを選ぶため、容易に太陽光発電投資をスタートできる点が魅力的です。

保有している土地に太陽光発電所を設置する

すでに太陽光発電所を設置できる土地を保有している、または農業を営んでいる農地がある場合、その土地を利用することで太陽光発電投資を始められます。

分譲型の太陽光発電所を購入するケースとは異なり、土地取得にかかる費用が発生しないため、高利回りになりやすい点が特徴です。ただし、保有している土地の日射量が少なかったり、農地で太陽光発電を始めるための規定に抵触していたりする場合は、違った選択肢を検討する必要があります。

太陽光発電ファンドに投資する

よりコストを抑えて投資を始めたい場合は、東京証券取引所で売買できる「インフラファンド」が有力。インフラファンドは、ETF(上場投資信託)と呼ばれるものの一種で、証券会社を通じて購入できる金融商品です。直接、太陽光発電所のオーナーになるわけではありませんが、インフラファンドを購入することで間接的に売電収入を受け取れます。

このほか、太陽光発電投資を検討するのであれば、以下のような最新情報は優先して押さえておきたいところ。

  • 分譲型の太陽光発電は中古市場が活発化する見込み
  • 中古物件の流通により増加する「転売」にも要注目
  • 2030年・2050年問題を見据えた太陽光発電所の増加

分譲型の太陽光発電は中古市場が活発化する見込み

分譲型の太陽光発電所をもちいた投資は、土地を保有していない投資家であっても手軽に始められることから人気を集めてきました。ただし、これまでは新築物件の市場ばかりが盛り上がっていたため、中古物件が少なく価格帯の幅は広くない状況だったのです。こういった理由により注目が薄かった太陽光発電の中古市場は、2020年前後から大きく盛り上がると予想されています。

中古物件の流通により増加する「転売」にも要注目

事業用太陽光発電は、2021年ごろにFIT制度の対象から外れる見込みとなっています。また、以前からFIT制度における電力の買取価格は下がっており、買取価格が高い案件が希少になっているのです。そのため、希少となった太陽光発電所を現金化したいといった売り手のニーズ、および高額な買取価格が設定された案件に関心のある買い手のニーズが合致し、中古市場は活発化することが期待されています。こういった環境下では、安価な中古物件と高価な中古物件が混在することとなり、その差額を狙って売買差益を得ることが可能です。2020年前後は、長らく中古市場が盛り上がらなかった太陽光発電投資において、新たな投資のチャンスが生まれるターニングポイントだといえます。

2030年・2050年問題を見据えた太陽光発電所の増加

日本は、2030年までに太陽光発電を主要エネルギーにすることを目標として、2012年のFIT開始から精力的に太陽光発電所の普及に努めてきました。具体的には、2030年に主力電源に近い水準まで発電コストを低減させるように目指し、施策を打ち立てています。さらに、太陽光発電協会(通称:JPEA)が公表する「太陽光発電 2050 年の黎明」に記載されているように、2050年には国内電力供給量の20%に相当する200GWを、太陽光発電で賄えるように導入を進めていくことが想定されています。つまり、太陽光発電投資の市場が経験してきた、この十数年の盛り上がりは通過点でしかなく、少なくとも太陽光発電が主要エネルギーになるまでは有力な投資対象になるのです。

太陽光発電投資のメリット4つ

数多くある投資と比較したとき、太陽光発電投資は以下のようなメリットがあります。

  • 平均10%前後の高い表面利回り
  • 他の金融商品に比べて安定した利益率
  • 不動産投資のような空室リスクがない
  • ローンを利用して自己資金を使わず投資可能

それぞれ、具体的にどういったメリットであるのかご説明します。

平均10%前後の高い表面利回り

太陽光発電投資の表面利回りは、10%前後と非常に高い水準です。実際には、管理維持のためにメンテナンスコストがかかりますが、それらを加味した実質利回りであっても8%程度と高く、利益率は極めて安定しています。これは、太陽光発電の導入促進を目的とした「FIT制度(固定価格買取制度)」によるものです。小規模な発電(10kW未満)を行う住宅用と、大規模な発電(10kW以上)を行う事業用に区別されており、それぞれ適用されるFIT制度の内容が異なります。

投資目的で運用されるケースが多い事業用の太陽光発電所は、発電した全電力を売電に充てられる「全量買取」の対象となります。事業用の太陽光発電所は、FIT制度の期間が20年間設けられており、認定を受けた年度に応じて下記のように買取価格が設定されています。

  • 事業用太陽光発電における買取価格の推移(税別)
 2012年度  40円/kWh
 2013年度  36円/kWh
 2014年度  32円/kWh
 2015年度  29円/kWh
 2016年度  24円/kWh
 2017年度  21円/kWh
 2018年度  18円/kWh
 2019年度  14円/kWh

なお、事業用の太陽光発電所は全量買取と余剰買取の選択制となっているため、10kW以上の太陽光発電所であっても余剰買取を選べます。

他の金融商品に比べて安定した利益率

FIT制度による安定した利益率は、株式投資やFXなどの他の金融商品にはありません。ほとんどの金融商品は、景気動向や政治など複雑な要因により価格変動を起こし、予測困難な結果をもたらします。

一方、太陽光発電投資の場合、一度FIT制度の認定を受けた発電所は期間終了まで電力の買取価格が変わらないため、稼働を停止しない限り利益率はほぼ一定。運用前に行う収支シミュレーションに近い水準で、利益を得続けられます。

不動産投資のような空室リスクがない

太陽光発電投資は、不動産投資の比較対象としてたびたび取り上げられます。その際、太陽光発電投資は太陽光さえあれば利益を得られるため、「空室のない不動産投資」と表現されてきました。もちろん、不動産投資にも特有の強みがあるものの、不動産の運用に近いイメージでありながら、不動産投資の最たるデメリットがない点は太陽光発電投資の魅力的です。

ローンを利用して自己資金を使わず投資可能

一般的に「投資」と呼ばれるもののうち、金融機関からローンを受けられる選択肢は太陽光発電投資と不動産投資に限られます。ときにギャンブルのように利用される株式投資やFXとは性質が異なり、太陽光発電投資と不動産投資は堅実なビジネスモデルにより成り立つ事業であるからです。ローンを利用すれば、自己資金を使うことなく投資を始められるため、すぐにでも資産拡大の一歩を踏み出せます。

太陽光発電投資のデメリット

太陽光発電投資におけるデメリットは、太陽光発電投資の利益率を支えるFIT制度が20年間で終了することです。 買取期間が終了するまで利益は安定的ですが、それ以降は太陽光発電所の売却・電力の自家消費など個別に出口戦略を考えなければなりません。

太陽光発電投資を始める前にリスクを理解しよう

事前に予測して対応できるデメリットとは異なり、突発的に発生するリスクにも注意を払う必要があります。太陽光発電投資を始めるにあたり、懸念すべきリスクは以下のようなもの。

  • 故障リスク
  • 天候リスク
  • 事業者リスク
  • 災害リスク

それぞれ、対処法はあるものの、遭遇そのものを回避することは難しいリスクです。そのため、各リスクを考慮しつつ、保険の利用や契約内容の慎重な確認が求められます。

故障リスク

現在は多くないものの、以前は太陽光パネルの不良が多くありました。また、落雷によって、パワーコンディショナが故障するケースもあります。

天候リスク

想定した気象条件の通りになるとは限らず、曇りや雨の多い年度はシミュレーションを下回る発電量になるリスクがあります。

事業者リスク

稀に、不良施工や悪徳業者に遭遇するケースがあります。業界は健全化されつつあるため、年々被害にあう確率は下がっているものと思われますが、懸念されるリスクの1つです。

たとえば、消費者庁が公表している「設備認定を受けただけで実体のない太陽光発電所の所有権を分割販売する「株式会社アイコン」に関する注意喚起」では、存在しない太陽光発電所の権利を商品として販売している事例を取り上げ、注意喚起を促しています。

また、産経新聞のニュース「工事が中断…手付金を払えど施設はできず 完成物件も問題続々」には、当初のシミュレーションほど発電量が伸びなかったり、分譲の申し込みをしたにもかかわらず工事が未着工のままであったり、多くのトラブルを招いている事業者の実態がピックアップされました。

悪徳業者による被害を防止するためには、以下のような意識を持つことが重要です。

  • 理解できない商品は勧められても購入しない
  • 取引・契約前に業者の評判や口コミを調べる
  • 信頼できる過去の実績を見せてもらう

ただし、類似の被害は未公開株や不動産の投資でも発生しているため、太陽光発電投資に限った問題ではない点に留意してください。

災害リスク

日本は自然災害が多いことで知られており、特に地震・台風は太陽光発電所に被害を及ぼすことが懸念されます。平成30年度は地震や台風が相次いだため、50件以上の被害が報告されました。

*経済産業省「今夏の太陽電池発電設備の事故の特徴について

経済産業省の資料によれば、土砂崩れによるパワーコンディショナの損壊、強風による太陽光パネルの飛散・反り返りが目立ったようです。なお、自然災害による被害は回避が困難であるものの、損害保険に加入することで被害を最小限に食い止められます。

太陽光発電投資はどのような人に向いている?

複数ある選択肢のなかで、特に太陽光発電投資が適しているケースは、以下のような条件に当てはまる場合です。

  • 安定した利益率の資産運用に関心がある
  • 相続等により保有している土地を活用したい
  • 外部委託により手間のかからない投資を探している
  • 投資効率を最大化するため「レバレッジ投資」を実践したい

やはり、太陽光発電投資における最大の魅力は「安定した利益率」であるため、堅実に利益を重ねたい場合は最有力候補に挙げられます。

加えて、外部委託により手間が不要である点、およびローンを利用して投資ができる点は、多忙な状況下でも資産を築きたいビジネスパーソンにとって心強い長所。借り入れにより投資効率を高める「レバレッジ投資」が可能であるため、いち早く資産形成ができます。

なお、すでに土地を保有していれば有利に働くものの、土地の保有は必須条件ではありません。 投資案件の多くが、土地の賃貸・購入を前提としてパッケージ化されたものであるため、何もない状態から始められます。

太陽光発電投資のポイント

太陽光発電投資のデメリットやリスクを対策し、メリットを最大化するためには基礎知識の理解度を高めることがカギとなります。

逆にいえば、金融商品のトレードのように高度な分析力や、不動産投資のような指値(価格交渉)を行う交渉力は必要なく、基礎知識さえ身に付けてしまえば十分に成功を掴むことは可能です。

太陽光発電投資の売電収入は確定申告が必要?などの疑問にお答えします。

太陽光発電投資のメリットやデメリット、経験者の声をご紹介してきたものの、まだまだ細かい部分に疑問が残るところ。ここまでに触れたローンや損害保険、気になる税金や確定申告について順番にご説明します。

太陽光発電投資でローンを活用!

太陽光発電投資は、金融機関からローンを利用して始められる、数少ない資産運用です。 たとえば、投資家から選ばれることの多い株式投資やFXは、ローンを利用できないため自己資金をもちいて運用するほかなく、大きな金額を運用することが困難です。 また、不動産投資はローンを利用できる投資ではあるものの、物件の立地・築年数によって融資条件が左右されることから、希望通りにローンを借りられるとは限りません。

一方、太陽光発電投資は「ソーラーローン」と呼ばれる、太陽光発電のためのローンを利用できることから、比較的容易に融資を受けられます。そのため、ローンを活かしたスケールの大きな投資を始めやすいのです。

太陽光発電専用の保険に加入するのがおすすめ

太陽光発電投資は、安定した利益率を誇るものの、自然災害や盗難などの突発的な被害には対応できません。そのため、損害保険に加入することが推奨されます。

損害保険の分類損害保険の主な内容
火災保険火災や風災、水災等の被害を対象とする保険
動産総合保険
賠償責任保険第三者に被害を与えた際の損害を対象とする保険
休業補償保険発電所が稼働を停止した際の損失を対象とする保険

損害保険は上記のように分類されており、それぞれ異なる場面での損害を補償します。

なお、損害保険の詳細な内容は、保険会社によって差がある点に留意してください。カバーしている範囲や年間あたりの保険料は違うため、複数の損害保険を比較しつつ費用対効果の優れたものを選択できるよう検討することをおすすめします。

太陽光発電投資における税金事情

太陽光発電投資を行うにあたり、主に2つの税金が課せられます。

  • 所得税(法人税)
  • 固定資産税

太陽光発電投資によって得た利益に対して、発電所の運用者が個人事業主であれば所得税、法人であれば法人税の納税が必要です。 収入から経費を差し引いた「課税所得」を対象として、所得税の場合は5~45%、法人税の場合は19~23.2%の税率が適用されます。 また、太陽光発電所には固定資産税が課せられることとなっており、発電設備の法定耐用年数である17年のあいだは税負担が発生します。

太陽光発電で得た収入は、確定申告が必要か

確定申告が必要となるラインは、太陽光発電投資による利益が「雑所得」と「事業所得」のうち、どちらだと判断されるかによって異なります。

  • 雑所得の場合は、年間20万円の利益を獲得すれば要申告
  • 事業所得の場合は、年間38万円の利益を獲得すれば要申告

本業で給与を得つつ、10~50kW未満の太陽光発電所を運用している場合や、住宅用の太陽光発電所を運用している場合の利益は、雑所得に分類されるケースが多い傾向にあります。

一方、50kW以上の太陽光発電所を運用している場合、事業の経営者が店舗・事務所の自家消費を兼ねて余剰買取を選んでいる場合は、明確に「事業」の一環として利用しているため事業所得だと判断されるケースが大半です。

いずれにしても、資産拡大を目的にした太陽光発電投資では、最低ラインである20万円/38万円を超える可能性が高いことから、確定申告は必要なものだと考えることを推奨します。

47都道府県の物件一覧

以下のページから、経済産業省が認定した全ての再生可能エネルギー発電所情報が検索・閲覧できます。

おわりに

太陽光発電投資は、他の資産運用にはないメリットを多く備えており、運用によって大きな経済的恩恵を受けられます。ただし、失敗に終わらせないためには、デメリットとリスクに対する理解が必須です。堅実な資産拡大を実現するため、本記事を始めとする当メディアの記事をご参照ください。また、実際に太陽光発電投資のスタートを検討されている場合は、当社へ気軽にお問い合わせください。