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丸紅が世界で初めて発売するカーボンニュートラルエチレンとは?

丸紅が世界で初めて発売するカーボンニュートラルエチレンとは?

2021年12月10日

12月10日、丸紅と台湾の国営石油元売り最大手「CPC Corporation, Taiwan(以下、CPC)」は、カーボンニュートラルエチレンの初荷揚げを行うと発表した。カーボンニュートラルエチレンの販売は、エチレンの国際取引において世界初となる。

今回のカーボンニュートラル化は、米国・テキサス州における天然ガス採掘から、台湾・高雄に位置するCPCの工場までのサプライチェーン(供給網)に対して行われた。

具体的には、丸紅とCPCが、先述の供給網におけるCO2発生量アセスメント(CO2排出量を評価すること)を実施。豪州の「Macquarie Group Limited(以下、「Macquarie」)」から購入したカーボンクレジットによってオフセットすることで、カーボンニュートラル化を実現した形となる。アセスメントはMacquarieによって、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)、WRI(世界資源研究所)の定める標準排出係数、IMO(国際海事機関)の定める燃料別CO2排出量基準表などを元にして、算出された。

エチレンは、常温の気体状ではエチレンガスとも呼ばれ、様々な産業で活用されている。原料として生み出される有機化合物には、厚手の透明ポリ袋に用いられる低濃度ポリエチレンや、レジ袋などに使われる高濃度ポリエチレンがある。他にもエチレンと工業塩を反応させて作る塩化ビニルモノマーは、ポリ塩化ビニル・塩化ビニルなどが作られ、日用品や衣類、断熱材や保護剤、電線被覆、水道パイプ、農業資材などあらゆる分野で利用されている。

丸紅は、エチレンの取扱量に関しては世界トップクラスを誇っており、物流を通じたエチレンの需給調整機能を世界中に提供している。今年の7月7日には、英国のガス輸送大手船主であるNavigator Gasとともに、エチレンを海上輸送する際のCO2排出量をカーボンニュートラル化したと発表していた。

 

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