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食品ロス

もったいない!食品ロスの現状や削減に向けた取り組みについて

2022年01月11日

本来食べられる食品が捨てられてしまう「食品ロス」が、日本を含め世界の様々な国で深刻な問題となっています。貧困や紛争により飢餓に陥っている国がある一方で、なぜこのような問題が発生してしまうのでしょうか。今回は、食品ロスの現状や原因、削減に向けた取り組みについてご紹介します。

食品ロスとは?

食品ロスとは、本来食べられるのに、食べ残しや売れ残り、賞味期限が近いなどを理由に捨てられてしまう食品のことです。途上国では食糧不足が問題となっている一方で、先進国では過剰に生産されて余ってしまった食糧が廃棄される食品ロスが問題となっています。途上国と先進国では食の不均衡が起きているのです。

食品ロスが引き起こす問題

食品ロスは、経済損失や食料の不均衡による飢餓だけでなく、環境不可の増大を招きます。食料が利用されず廃棄されれば、生産時に使用された水や飼料、食料輸送のエネルギーなども無駄になってしまいます。また、廃棄された食品を処理する際にも、地球温暖化の原因といわれる二酸化炭素やメタンガスが発生します。つまり、無駄な食品は温室効果ガスの排出量を増やし、温暖化を加速させます。

食品ロスの削減は、地球温暖化の進行を遅らせることにもつながるのです。そのため、食べるものが十分にある国においても、食品ロスは深刻な問題として認識されているのです。

日本における食品ロスはどれくらい?

日本では、年間570万トンもの食品ロスが発生しています。(令和元年度推計値)また、日本人の1人あたりの食品ロスの量は一年で約45kgと報告されています。これは日本人一人当たりが毎日お茶碗一杯分のご飯を捨てているのと近い量になります。

食品ロスは大きく分けると、事業系食品ロス(事業活動を伴って発生する食品ロス)と家庭系食品ロス(各家庭から発生する食品ロス)に分けることができ、570万トンのうち、約半分は家庭から出ていることになります。

日本の食品ロスの量

食品ロス削減のための取り組み

食品ロスを削減するため、国や民間団体は様々な施策を推進しています。また、私たちが普段の生活の中でできることもたくさんあります。一人ひとりが「もったいない」という意識を持って行動することで、食品ロスを削減する効果が期待されます。

企業の取り組み事例

  • 株式会社セブン&アイ・ホールディングス:エコレシピを配布

食品ロスの約半分は家庭から出ていることを受け、消費者と一緒に食品ロスについて考え、家庭の食品ロス削減のお手伝いとして「エコレシピ」の配布や調理実演などを実施しています。

食材を最後まで使い切ることで、ゴミも少なく、環境にもお財布にもやさしいエコレシピは、店舗スタッフが長年培ってきた知恵や工夫を活かして、食材を使い切れるレシピを考案しています。他にも、食品の保存方法や食品ロスに関するミニ知識も紹介しています。

  • クックパッド株式会社:クッキングバトルの開催

“ありモノから美味しい料理を作ることは生活の中で最もクリエイティブな行為である”をコンセプトに、残り食材を工夫して自由に料理する能力に焦点を当てたエンターテインメント型フードロス解消バトルイベントを開催。審査対象は、美味しさ(味)・料理の見た目(美しさ)・工夫のアイデア(創造性)・生ゴミの量(使い切り)で競い合います。

  • 一般財団法人日本気象協会:気象データを活用した商品需要予測サービス

日本気象協会では、天気予報で培った最先端の解析技術で商品の需要予測を行い、食品メーカーでの生産量の調整や小売店での仕入れの見込みをサポートし、食品ロスを削減する取り組みを実施しています。

  • グラウス株式会社:フードシェアリングサービスを運営

納品期限や販売期限を過ぎた商品を、インターネットを活用して迅速に消費者ニーズとマッチングさせることで、食品ロスや他の廃棄物の発生を大幅に削減するフードシェアリングサービス「KURADASHI」を2015年2月から運営しています。最近では、新型コロナウイルスの影響で多くの食品ロスを抱えてしまい、頭を悩ませる飲食店や食品メーカーの希望の光としても注目を集めました。

私たちができること

・賞味期限の近い値引き商品を買う

・商品は陳列されている賞味期限の順番に購入する(てまえどり

・食べ切れる分量を注文して、食べ残しを出さない

・食べきれなかった分はお店の人に相談して自宅に持ち帰る

・野菜の皮は厚く剥き過ぎない(廃棄されがちな皮なども活用する)

・フードシェアリングを利用する

・日頃から冷蔵庫を整理整頓して在庫状況を把握する

おわりに

2019年に日本で開催されたG20においても、食料の損失・廃棄を削減することが盛り込まれ、国や民間団体は様々な施策を推進しています。しかし、消費者の意識が変わらないことには食品ロスの削減は難しいでしょう。一人ひとりが「もったいない」という意識を持って行動することで、食品ロスを削減する効果が期待されます。

EnergyShift編集部
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