東急建設は、水素を使った燃料電池式で発電機の発電時CO2排出量がゼロとなることを実証したと12月14日に発表した。発電機は「可搬型発電装置」と呼ばれ、持ち運びが可能なため建設現場では欠かせない。建設現場での水素を使った燃料電池式発電機の有効性を実証したのは業界初だ。
実証実験は2019 年に採択された環境省の「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」の一環として、デンヨーが2021年4月に開始。東急建設が参画し今回実現に至った。
燃料電池式可搬形発電装置が工事現場でエンジン発電機と同じように使用できるか以下の4つのポイント①発電能力②運搬、設置、操作などの発電装置の取り扱い③運転中の発電装置の評価④高圧水素ガスの取り扱い(運搬、火気離隔距離の確保)で評価をした。
出力電力としては最大3.2KW程度。これに対し、出力電圧は100V±2%以内と安定しているため、負荷機器の使用に問題がないことがわかった。
東急建設は、3つの提供価値(「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」)を掲げ、2020年9月には、国内の建設現場において、軽油から「GTL(Gas to Liquids)燃料」への切り替え、10月にはCO2排出削減率70%以上、副産物の有効利用率90%以上の先送りモルタルの代替材「サスタル」を開発・適用している。今後も建設分野における脱炭素の取り組みを加速していく方針だ。
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