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中国、海外での新規石炭火力発電建設を中止へ 国連総会で

中国、海外での新規石炭火力発電建設を中止へ 国連総会で

2021年09月22日

中国の習近平国家主席は9月21日(現地時間)のビデオ演説の中で、「中国は、他の発展途上国がグリーンエネルギーや低炭素エネルギーを開発するための支援を強化し、海外で新たな石炭火力発電プロジェクトを建設することはない」と述べ、海外での石炭火力発電所の新規建設への融資を中止することを明らかにした。

中華人民共和国の国際連合常駐代表部によるTwitter

また、2060年までのカーボンニュートラル達成の公約を改めて述べた。一方で国内の石炭火力発電の新規建設についてはふれなかった。グリーンピースによれば、中国は2021年の上半期だけで国内24の石炭火力発電所の建設を承認している。

中国は世界で最も人口が多く、温室効果ガスの排出量も最も多い。北京の国際グリーンファイナンス研究所によれば、現在建設が進められている石炭火力発電所の7割以上は中国の資金に依存しているという。一方、2014年から2020年の間に、中国国外で1,560億ドルの計画への支援が計画されていたが、このうちの880億ドル以上は延期、または中止されている。2014年以降の52件のプロジェクトのうち、稼働したのは1件のみだという。

中国は2060年までのカーボンニュートラルへのロードマップはまだ作成中だ。2025年までに国内総生産あたりの排出量を18%削減し、エネルギー使用量も13.5%削減する目標を持っている。また、非化石燃料の使用量を20%に引きあげる方針だ。

この演説に対し、国連のグテーレス事務総長は「歓迎する」とコメント。「世界的な石炭の廃止を加速することは、パリ協定の1.5℃目標を達成するための最も重要なステップであるからだ。しかし、COP26を成功させるにはまだ長い道のりがある」と述べた。

COP26の議長であるアロク・シャルマ氏もTwitterで「習近平国家主席が海外での新規石炭プロジェクトの建設を中止することを表明したことを歓迎します」と応じた。

EnergyShift編集部
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