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47都道府県の2020年度予算から読み解く再エネ動向 九州・沖縄エリア CO2ゼロに向け自治体連携踏み出す

47都道府県の2020年度予算から読み解く脱炭素動向 九州・沖縄エリア CO2ゼロに向け自治体連携踏み出す

2020年06月04日

地方自治体の再エネ・脱炭素化政策を紹介するシリーズ、最後となる今回は九州・沖縄8県の独自施策を解説する。
多様な再生可能エネルギーが賦存する九州・沖縄地方は、地域資源を持続可能な形で最大限活用し、自立・分散型の社会を形成することで、環境・経済・社会課題の同時解決を目指している。

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熊本県:18市町村と連携し、カーボンゼロ目指す

九州・沖縄地方は太陽光発電をはじめ、風力発電、小水力発電、地熱・バイオマス発電のほか、海洋エネルギー発電など多様な再エネ資源を持つ。各自治体は、それぞれの地域資源を活かし、自立・分散型の社会の形成を目指すとともに、環境省が2018年、第五次環境基本計画の中で掲げた、各自治体がその特性に応じて補完しあい、脱炭素社会を実現する「地域循環共生圏」にも取り組んでいる。

そのひとつが熊本である。2019年12月、熊本県が「2050年CO2排出実質ゼロ」を宣言すると、この宣言を受け、熊本市を中心に構成する熊本連携中枢都市圏18市町村*も「2050年カーボンゼロシティ」の実現を表明した。

人口が少ない市町村にとって、実質ゼロ達成に向けた計画を独自策定すること自体難しい。そのため、18市町村それぞれの再エネ特性を活かし、補完することで、実質ゼロを目指すという取り組みである。熊本連携中枢都市圏では、2020年度中に実行計画を策定し、より効率的に脱炭素社会の実現を目指していく。

県と市町村が一体となってCO2実質ゼロに取り組む熊本県では、エネルギー自給率の向上および中山間地域での産業基盤の強化を目指し、2020年度の予算編成を行った。主要予算の詳細は次の通り。

熊本県

中山間地における再生可能エネルギー活用推進事業
2020年度予算額
33万円(2019年度予算額:66.4万円)
概要
中山間地域の新たな産業施策として、再生可能エネルギー活用の推進に要する経費

 

次世代モビリティ普及促進事業
2020年度予算額
929.4万円(2019年度予算額:986万円)
概要
次世代モビリティ(電気自動車等)の充電インフラの維持・管理等に要する経費

 

燃料電池自動車普及促進事業
2020年度予算額
691.2万円(2019年度予算額:1,487.8万円)
概要
水素燃料電池自動車の普及促進および水素エネルギー関連産業の育成・振興に要する経費

 

新エネルギー等導入推進事業
2020年度予算額
307.3万円(2019年度予算額:323.5万円)
概要
新エネルギーの導入推進のための関係機関や事業者との連絡調整、事業候補地調査、国・九州電力との協議等に要する経費

 

メガソーラー等対策事業
2020年度予算額
214.6万円(2019年度予算額:632.3万円)
概要
太陽光発電事業者と県、市町村とによる立地協定締結の推進に要する経費

 

バイオマス利活用推進事業
2020年度予算額
219.5万円(2019年度予算額:1億3,398.1万円)
概要
廃食油、竹等のバイオマス資源を活用した循環型ビジネス事業に対する助成等

 

■ 参照データ

熊本県:熊本県一般会計予算(令和2年度当初予算)の要求・査定の概要について
対象は農林水産部ページ18P、商工観光労働部対象ページ6、9P、環境生活部対象ページ8P

*熊本連携中枢都市圏の構成市町村:熊本市、菊池市、宇土市、宇城市、阿蘇市、合志市、美里町、菊陽町、西原村、南阿蘇村、嘉島町、益城町、甲佐町、玉東町、大津町、高森町、御船町、山都町

福岡県:自動車産業集積地として水素エネルギーを牽引

少子高齢化・人口減少、第4次産業革命の進展など時代の変化に対応し、地方創生の実現を目指すのが福岡県である。

福岡県では2020年度、「活力にあふれ成長力に富んだ経済と魅力ある雇用の創出」、「環境と調和し、快適に暮らせること」といった政策テーマのもと予算編成を行った。
まず経済成長と雇用の創出では、アジアの産業拠点の構築を目指し、「水素エネルギー戦略推進費」を予算化している。水素エネルギー分野を成長産業と見据え、地元企業参入のための部品・製品開発や人材育成支援など、参入強化策を行う。予算額は4,690万円。
また「北部九州自動車産業アジア先進拠点推進費」の一環として、FCV(燃料電池自動車)の理解促進活動を実施する。FCV関連の予算額は約556万円である。

次に環境政策では、「資源を有効利用し、環境負荷の少ない社会をつくる」をテーマに掲げ、気候変動適応策や地球温暖化対策のほか、家庭や中小企業における省エネ・節電促進を助成する。予算額は総額約4,200万円を計上した。
ほかにも今年度から新たに風力発電の普及促進を予算化し、風力発電産業への参入促進や、メンテナンス技術者の養成などを実施する。予算額は約716万円。そのほかの主要予算の詳細は次の通り。

福岡県

水素エネルギー戦略推進費
2020年度予算額
4,690.5万円(2019年度予算額:7,178.1万円)
概要
地元企業参入のための部品・製品開発等の支援に要する経費
2020年度予算額
2,938.5万円(2019年度予算額:3,000万円) 地元企業参入のためのアドバイザー派遣に要する経費
2020年度予算額
575.2万円(2019年度予算額:572.4万円) 水素・燃料電池製品の実用化支援に要する経費
2020年度予算額
100万円(2019年度予算額:0円) 地元企業参入のための人材育成支援に要する経費
2020年度予算額
136.2万円(2019年度予算額:135.3万円) 物流施設向け水素製品への参入促進に要する経費
2020年度予算額
207.7万円(2019年度予算額:1,219.3万円) 福岡水素エネルギー戦略会議運営費等
2020年度予算額
481.5万円(2019年度予算額:477.1万円) 再生可能エネルギー由来水素の関連製品への参入促進に要する経費
2020年度予算額
251.4万円(2019年度予算額:0円)

 

廃棄太陽光パネルスマート回収システム構築費
2020年度予算額
464.2万円(2019年度予算額:602.4万円)
概要
廃棄太陽光パネルの効率的な回収システムの構築に向けた実証実験等に要する経費

 

再生可能エネルギー等導入促進費
2020年度予算額
1,692.4万円(2019年度予算額:2,429.2万円)
概要
市町村における再生可能エネルギー等の導入計画立案への支援に要する経費
2020年度予算額
80.3万円(2019年度予算額:80.3万円) 市町村等が行う再生可能エネルギー利用可能性調査への助成
2020年度予算額
1,270.5万円(2019年度予算額:1,299.6万円) エネルギー先端技術展の開催に要する経費
2020年度予算額
174.9万円(2019年度予算額:741.7万円) 再生可能エネルギー導入支援アドバイザー派遣事業費
2020年度予算額
17.7万円(2019年度予算額:17.7万円) 再生可能エネルギー導入支援システム運用費等
2020年度予算額
149万円(2019年度予算額:289.9万円)

 

地域エネルギー政策研究費
2020年度予算額
132.4万円(2019年度予算額:97.1万円)
概要
エネルギー需給の安定化に向けた地方の果たすべき役割等を検討する地域エネルギー政策研究会の開催に要する経費

 

コージェネレーションシステム導入促進費
2020年度予算額
43.9万円(2019年度予算額:43.6万円)
概要
民間事業者向けのコージェネレーション導入セミナーの開催に要する経費

 

エネルギー対策特別融資費
2020年度予算額
4億122.2万円(2019年度予算額:4億126.6万円)
概要
中小企業者による再生可能エネルギー設備の導入、建築物の省エネ改修および水素ステーションの整備等に要する資金の低利融資
融資枠
9.5億円
貸付利率
1.1~1.3%

 

風力発電産業育成・参入促進費
2020年度予算額
716.4万円(2019年度予算額:0円)
概要
風力発電設備のメンテナンスを行う技術者の育成に要する経費
2020年度予算額
601.6万円(2019年度予算額:0円) 風力発電セミナーの開催に要する経費
2020年度予算額
114.8万円(2019年度予算額:0円)

 

■ 参照データ

長崎県:低迷する造船業、洋上風力を次の基幹産業に

基幹産業である造船業の低迷を受け、長崎県では新たな産業創出が喫緊の課題となっている。
そこで長崎県では2020年3月、人口減少を克服する指針として「第2期長崎県まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、2025年度目標を掲げた

第2期総合戦略において、造船業に次ぐ新たな基幹産業にあげたのが、海洋エネルギー関連産業、ロボット・IoT関連産業、航空機関連産業の3分野である。

そのひとつ、海洋エネルギー関連産業では大規模な洋上風力発電などの県内海域への誘致および県内企業の受注拡大などを図ることで、2018年度1億円だった関連売上高を2025年度に101億円に拡大させる。さらに2018年度3人だった雇用者数を905人増加させる計画だ。

基幹産業の創出に向け、商用化段階に入りつつある大規模洋上風力発電において、調査・計測、開発・製造、据付・施工、運営・保守など分野ごとに中核企業を育成し、共同受注体制を形成する。また発電事業者から一括受注が可能なアンカー企業の創出およびサプライチェーンの構築支援、そして専門人材の育成に取り組んでいく。

さらに再エネの主力電源化に向け、電源の安定化を図るため、余剰電力などの利活用の検討やエネルギーマネジメントシステムの構築、技術力向上を支援することで、県内企業による新規参入を後押しし、中期目標の達成を目指すという。2020年度は「海洋エネルギー関連産業創出促進事業費」に約9,230万円の予算を計上している。詳細は次の通り。

長崎県

海洋エネルギー関連産業創出促進事業費
2020年度予算額
9,232.5万円(2019年度予算額:8,500.2万円)
概要
再エネ海域利用法の施行による洋上風力発電の商用化に備え、県内企業の共同受注体制の整備強化を促進 実証フィールド運営機能構築支援
2020年度予算額
958万円(2019年度予算額:1,203.9万円)
概要
  • 県内海域への実証事業の誘致に向けたワンストップ窓口の運用、誘致活動の展開
  • 海域データ提供サービスの構築
洋上風力発電の商用化に向けた取組
2020年度予算額
1,650万円(2019年度予算額:1,200万円)
概要
  • 分野別中核企業の育成、共同受注体制の構築支援 
  • 商用化を見据えた研究開発支援
専門人材育成支援
2020年度予算額
1,521万円(2019年度予算額:2,417万円)
概要
長崎海洋アカデミー開講に向けた支援 風力発電ゾーニング調査
2020年度予算額
5,103.5万円(2019年度予算額:3,000万円)
概要
ゾーニングマップの作成、促進区域選定に向けた課題整理

 

■ 参照データ

大分県:地熱・温泉熱など多様な再エネを導入

大分県は、豊富な源泉数・湧量を持つ地熱・温泉熱、農業用水路などを活用した小水力発電、バイオマスなど多様な再エネ資源を持っている。 多様な再エネ資源の利活用、さらに気候変動対応やSDGsの達成に向け、大分県では2020年3月、「大分エネルギービジョン」を改訂した。

2024年度を最終年度とするこの新ビジョンでは、再エネの導入量拡大とともに、太陽光発電の発電ピーク時間帯への電力需要のシフトや地産地消の推進、コンビナートから発生する副生水素の活用などを通じた水素サプライチェーンの構築を目指している。

これら一連の施策によって、2024年度までに太陽光発電を2018年比34.6%増となる139.9万kW、風力発電は457.4%増の6.3万kW、バイオマス発電は25.5%増の11.1万kWまで拡大させる計画である。なお、2020年度は再エネ普及を重点化した予算計上をしていないため、詳細予算は記載していない。

鹿児島県:「エネルギーパークかごしま」推進し、経済の好循環を回す

鹿児島県は、森林、畜産、温泉や広大な海域など、多様な再エネ資源を持つ。こうした資源を最大限活用し、太陽光発電はじめ、バイオマス、小水力、地熱などの導入拡大を図り、その供給において全国トップクラスとなる「エネルギーパークかごしま」の実現を目指している。

2020年度、「『エネルギーパークかごしま』推進事業」に対し、前年度比約4,100万円増となる約1億1,500万円計上した。鹿児島県では、エネルギーパークの実現は、CO2削減のみならず、関連企業の育成による経済振興、雇用創出による定住者の増加を目指している。さらに地産地消によって資金が地域内で循環すれば、県外への資金流出を抑制できる。また環境対応による地域イメージ向上は、観光業へも相乗効果をもたらすなど、多様なメリットの享受につながるとしている。

まずは再エネの種類、量を増やすことで、2015年度28%だった再エネ比率を2022年度までに53%まで上昇させる計画だ。そのほかの主要予算は次の通り。

鹿児島県

かごしま低炭素社会モデル創造事業
2020年度予算額
748.1万円(2019年度予算額:649.3万円)
概要
ほぼ全ての電力が水力発電で賄われている屋久島において、二酸化炭素の発生が抑制された先進的な地域づくりとして「屋久島CO2フリーの島づくり」を促進し、モデル性や発信性の高い取組を行う。
  • かごしま低炭素社会モデル創造事業(屋久島)
  • 急速充電インフラ整備事業
  • 持続可能な屋久島づくり構想策定事業

 

「エネルギーパークかごしま」推進事業
2020年度予算額
1億1,504.4万円(2019年度予算額:7,388.5万円)
概要
多様な再生可能エネルギーが有効活用され、その供給において全国トップクラスとなる「エネルギーパークかごしま」の実現を目指し、地域特性を生かした再生可能エネルギーの導入を促進する事業を展開する。 再生可能エネルギー推進委員会事業
概要
「エネルギーパークかごしま」の実現に向けた推進方策の検討や進捗管理 再生可能エネルギー加速化支援事業
概要
地熱バイナリー発電や小水力発電などの導入可能性調査等への支援 竹バイオマスエネルギー利用促進事業 地熱資源を活かしたまちづくり事業
概要
地熱資源を活かしたまちづくりのための検討懇談会や理解促進イベント等の実施 再生可能エネルギー導入活性化事業
概要
バイオマスや小水力の導入活性化のための可能性調査等の実施 エネルギーをシェアするまちづくり事業
概要
エネルギーの地産地消のまちづくりに係る実証モデルの検討や事業計画の作成等 水素エネルギー利用促進事業
概要
本県の地域特性を活かした水素利用のビジネスモデルを構築するための検討等

 

燃料電池自動車導入支援事業
2020年度予算額
200万円(2019年度予算額:500万円)
概要
水素社会の実現に向けて、県内における燃料電池自動車の普及拡大を図るため、燃料電池自動車の導入に要する経費を助成する。

 

かごしまグリーンファンド導入促進事業
2020年度予算額
4,844.3万円(2019年度予算額:1億1,340万円)
概要
地元金融機関等とともに設立した「かごしまグリーンファンド」 への出資を通して、本県の地域特性を生かした再生可能エネルギーを導入する事業者を支援する。

 

水素・再生可能エネルギー普及啓発事業
2020年度予算額
900万円(2019年度予算額:1,612.1万円)
概要
再生可能エネルギーの導入促進を図るため、再生可能エネルギーを電源とする街路灯等の設置に要する経費を助成する。

 

水素・再生可能エネルギーフェア事業
2020年度予算額
443万円(2019年度予算額:154.2万円)
概要
水素や再生可能エネルギーを活用した設備の導入を促進するため、県民向けの各種展示や事業者向けのセミナー等を実施する「水素・ 再生可能エネルギーフェア」を開催する。

 

口之島周辺海流発電推進事業
2020年度予算額
100.3万円(2019年度予算額:100.3万円)
概要
口之島周辺海域における海流発電実証試験の実施に向け、関係機関との各種調整や課題解決等の具体的な検討を行う。

 

■ 参照データ

宮崎県、佐賀県、沖縄県、地域特性に応じた再エネ支援

宮崎県では、「地域の特性を生かし、次代につながる産業づくり」の一環として、2020年度から新たに畜産バイオマス利活用支援事業を実施する。地域における畜産バイオマス利活用の支援を通じ、畜産と地域農業の発展を図る取り組みである。

多くの離島から構成される沖縄県では、同じ地理的特性を持つ米国ハワイ州と連携し、再エネの導入拡大を進めている。宮崎県、佐賀県、沖縄県の2020年度予算項目は次の通り。

宮崎県

畜産バイオマスエネルギー利活用支援事業
2020年度予算額
961.8万円(2019年度予算額:0円)
概要
畜産農家の規模拡大のネックとなっている家畜排せつ物の高度利用の推進に向け、牛ふん等の燃焼技術に関する調査および検討を行うとともに、地域における畜産バイオマスエネルギーの利活用の取組を支援し、持続的な畜産と地域農業の発展を図る。 ①家畜排せつ物の高度利用に向けた実証調査事業
概要
  • 高度利用における課題解決に向けた実証調査
  • 地域における畜産バイオマスの活用検討を支援
補助率
定額(1/2以内) ②家畜排せつ物適正処理指導事業
概要
  • 畜産環境について専門的な知識を有するアドバイザーの育成
  • 環境コンサルタントと連携した農家への堆肥生産技術の指導

 

みやざき成長産業育成貸付
概要
県内に事業所を有する中小企業者、組合および小規模企業者の経営安定や活性化を図るために、県と県内金融機関が強調して、低利の融資を実施する。
融資対象分野
環境・エネルギー関連分野ほか
融資限度額
設備・運転資金 合計5,000万円
融資利率
年0.80%(環境・エネルギー:10年間固定期間終了後、金融機関所定金利)

 

■ 参照データ

 

佐賀県

経営環境変化対応資金:環境・省エネルギー対策
概要
省エネルギー施設・設備の導入を通じて成長への転換や経営改善を図ろうとする事業者を支援する。
貸付限度額
  • 設備:5,000万円(運転と合わせて)
  • 運転:2,000万円
貸付期間(据置期間)
  • 設備:10年(2年)
  • 運転:7年(1年)
貸付利率
年1.3%

 

■ 参照データ

 

沖縄県

スマートエネルギーアイランド基盤構築事業
2020年度予算額
2億3,810万円(2019年度予算額:3億48.7万円)
概要
再生可能エネルギーの導入拡大に向けた実証およびハワイ州とのクリーンエネルギー協力の推進に要する経費

 

■ 参照データ

 

九州・沖縄エリアのまとめ

再エネは地方に偏在するという性質を持つだけに、さらなる導入拡大には地方自治体による施策が欠かせない。だが、財源や人材には限りがある。それだけに熊本県と熊本連携中枢都市圏のような連携が重要になってくる。
こうした連携はCO2実質ゼロ達成に向けた実行計画の策定にとどまらず、地方都市から大都市圏へ再エネ電力を供給するという広域連携にまで今後拡大していくだろう。

47都道府県のまとめ

47都道府県による2020年度の再エネ・脱炭素化予算の総額は約980億円にのぼった。

とりわけ今年度は、2050年CO2排出実質ゼロを目指す、「カーボンゼロシティ」を表明した自治体が17都道府県に増え、ライフ・ビジネススタイルの意識変革を促す省エネ施策や、脱炭素化の鍵となる再エネの普及拡大に多くの予算を計上している。

なかでも再エネ施策は、FIT制度の抜本見直しを見据え、多くの自治体が地産地消や電力のレジリエンス強化を目指す、地域マイクログリッドの構築支援に取り組んでいる。また、水素エネルギーを次世代の成長産業と位置づけ、各自治体が水素社会の早期実装を競い合っている。

再エネ・脱炭素施策は、気候変動対策のみならず、地域産業の振興・雇用創出による人口減少の抑制など、経済・社会課題の解決につながる。自治体による再エネ・脱炭素化施策は今後ますます強化されるだろう。

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(Text:藤村朋弘)

藤村朋弘
藤村朋弘

2009年より太陽光発電の取材活動に携わり、 その後、日本の電力システム改革や再生可能エネルギー全般まで、取材活動をひろげている。

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