水素で伸びる企業はどこだ? 脱炭素本命の自動車はEV? それともFCV? トヨタなど各社の動きを追う 水素まとめその2 | EnergyShift

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水素で伸びる企業はどこだ? 脱炭素本命の自動車はEV? それともFCV? トヨタなど各社の動きを追う 水素まとめその2

水素で伸びる企業はどこだ? 脱炭素本命の自動車はEV? それともFCV? トヨタなど各社の動きを追う 水素まとめその2

2021年12月02日

燃やしても二酸化炭素(CO2)を排出しない次世代エネルギーとして期待が高まる水素。この水素で発電して走る燃料電池車(FCV)は究極のエコカーとして、トヨタ自動車やホンダなどが世界に先駆け開発してきた。だが、世界の自動車メーカーは電気自動車(EV)でなければ、まるで脱炭素を実現できないといわんばかりに、大胆なEVシフトを進めている。脱炭素の本命はEVで決まったのか、それともFCVに可能性はあるのか。最新動向から探った。

なぜ、トヨタはFCVを開発するのか

トヨタは2020年12月、「将来の水素社会の実現に向けた、新たな出発点となるクルマ」と位置づけたFCVの新型MIRAIの国内発売を開始した。


出典:トヨタ自動車

FCVはEVと同様に電気で駆動モーターを動かして走行する。ただし、EVが電池にためた電気を使うのに対し、FCVは燃料として積んだ水素を空気中の酸素と化学反応させて発電し走行する。走行時には水しか排出せず、乗用車なら数分の水素充填で長距離を走ることができるため、「究極のエコカー」と呼ばれている。

トヨタは世界に先駆け2014年からFCVの量産を開始している。だが、期待とは裏腹に販売は苦戦を強いられている。2014年から2020年までの国内販売台数は3,800台にとどまり、世界全体でも1万台を超える水準しかない。

だが、トヨタはFCVとともに、水素エンジン車の開発にも取り組む。

2021年11月13日、岡山県で開催されたスーパー耐久レースにおいて、トヨタはガソリンの代わりに圧縮水素を燃料とするエンジンを搭載した水素エンジン車で参戦した。水素エンジン車両での参戦は4回目となる。レースドライバーはトヨタの豊田章男社長が務める。

FCV、さらに水素エンジン車両を開発する、その背景には何があるのか。

ガソリン車1台をつくるのに必要な部品点数はおよそ3万点とされる。だが、EVになると部品点数はおよそ半分に減るとされており、部品メーカーなどの雇用への影響が懸念されている。さらに今後、再生可能エネルギーを安く調達できる国に自動車生産がシフトする可能性もあり、豊田氏が会長を務める日本自動車工業会では、ガソリン車の新車販売が禁止された場合、100万人の雇用が失われる可能性があると指摘する。

豊田氏は自工会の会見などで繰り返し、次のように述べている。

「あくまでゴールは脱炭素。決してEVの販売推進やガソリン車の販売禁止ではない。内燃機関を狙い撃ちにした規制や法律で、既存技術を制約して幅を狭めるのではなく、2050年のカーボンニュートラルに向けて技術の選択肢を増やすべきではないか」

その選択肢のひとつが、ガソリン車の内燃機関をそのまま使える水素エンジン車の開発であり、その実証実験をモータースポーツの場でしているというわけだ。

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EnergyShift編集部
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