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洋上風力発電の適地調査 政府主導で北海道など3海域

洋上風力発電の適地調査 政府主導で北海道など3海域

2021年08月02日

2050年脱炭素の切り札に位置づけられた洋上風力の普及に向けて、経済産業省は7月30日、政府主導で風や地質などの調査を実施する海域について、北海道、山形県、岩手県の3海域を選定した。今後、委託を受けた民間企業が海域調査を実施し、洋上風力の開発を支援する方針だ。

政府は洋上風力について、現状1.4万kW程度の設備容量を毎年100万kWずつ増やし、2030年に1,000万kW、そして2040年には3,000万から4,500万kWにまで増やす目標を掲げている。
四方を海に囲まれた日本でも大量導入が可能だとして、洋上風力を脱炭素の切り札と位置づけている。

達成に向け、政府は風が強く、漁業関係者の理解が得られた長崎や秋田、千葉などの5海域について、30年間洋上風力を実施できる促進区域に指定し、事業者を公募している。
今年6月には、国内初の選定事業者として戸田建設などのコンソーシアムが選ばれている。

しかし、5海域だけでは目標達成には届かず、経済産業省と国土交通省は初期の段階から政府や自治体が積極的に関与し、より迅速に風や地盤などの調査や、洋上で発電した電力を陸地に送るための送電網などの確保を行う「日本版セントラル方式」を確立し、促進区域を増やす計画だ。

今回、経産省などは北海道岩宇及び南後志地区沖(着床式)、山形県酒田市沖(着床式)、岩手県洋野町沖(浮体式)の3海域の促進区域化を目指し、初めて政府主導で風や漁業への影響調査を実施することを決定した。風況調査などは2022年末までに委託を受けた民間企業が実施する予定だ。

洋上風力は環境アセスメントなどの調査や工事に10年程度かかる。それだけに普及拡大には政府主導が欠かせない。
洋上風力の導入が進む欧州では、事業者リスクの低減に向け、政府主導で環境アセスメントや送電網などの調整をしたのち、事業者を公募するセントラル方式が一般化しつつある。

経産省では日本版セントラル方式を確立することで、洋上風力を加速させたい考えだ。

EnergyShift編集部
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