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トヨタ 水素カローラで「スーパー耐久レース」にグリーン水素で参戦 水素エンジンの開発は進んでいるか

トヨタ 水素カローラで「スーパー耐久レース」にグリーン水素で参戦 水素エンジンの開発は進んでいるか

2021年08月03日

トヨタ自動車株式会社は、7月31日から8月1日に行われた「スーパー耐久レース in オートポリス」にて、水素エンジンカローラを「ORC ROOKIE Racing」の参戦車両として投入した。5月の富士SUPER TEC 24時間レースに続き、トヨタ自動車の代表取締役社長である豊田章男氏が、ドライバー「モリゾウ」としてレースに参戦した。

水素エンジンカローラとは、カーボンニュートラルなモビリティ社会実現に向けて開発中の水素エンジンを搭載した車両だ。

この水素エンジン車両は、水素エンジンの開発スピードを上げることを目的に、5月21日から富士SUPER TEC 24時間レースで初めてレースに参戦。その後、参戦から約2ヶ月の間、車両面・インフラ面それぞれの改善を進めてきた。

具体的な改善内容は、車両面では、エンジン内での水素の異常燃焼を抑えつつ、性能を向上、約15%のトルクアップを実現した。水素エンジンのメリットである応答性もさらに向上させている。

水素充填時間も約40%向上、約5分から約3分に短縮している。

特筆すべきは、グリーン水素の供給拡大だ。

今回のレース参戦では、前回の福島県浪江町の「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」で製造された再エネ由来のグリーン水素だけではなく、水素エンジン開発への挑戦に共感した株式会社大林組および、トヨタ自動車九州株式会社からグリーン水素の供給を受ける。

大林組は、大分県の九重町で日本初となる地熱発電電力を活用したグリーン水素を複数の需要先に供給するまでの一連のプロセスを実証し、地熱発電由来のグリーン水素を水素エンジン車両に供給している。

トヨタ自動車九州は、太陽光発電より製造した水素を、工場内で使用するフォークリフトや施設の照明等に使用しており、太陽光発電由来の水素を水素エンジン車両に供給している。

水素を使う工程に加え、作る工程もグリーン水素となり、カーボンニュートラル実現に向け、エネルギーの選択肢がさらに拡がるという。

水素エンジン車両への水素供給比率はこれまでも供給してきたFH2Rが約50%、大林組が約30%、トヨタ自動車九州が約20%で、ステーション数は3台だ。

トヨタ自動車は、リリースで「水素エンジンはカーボンニュートラルに向けた新たな選択肢の一つであり、日本が長年培ってきたエンジン技術を活かすことが出来る、自動車産業の雇用を守っていくためにも、各パートナーと共に、水素エンジン開発への挑戦を続けていく」と述べている。

メディア懇談会でのトヨタ自動車 豊田章男代表取締役社長

EnergyShift編集部
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