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国民の約4割が「カーボンニュートラル」知らない 電通グループ調査

国民の約4割が「カーボンニュートラル」知らない 電通グループ調査

2021年06月09日

2050年脱炭素社会の実現には国民一人ひとりがライフスタイルを変えることが必要だ。だが、国民の約4割が「カーボンニュートラル」という言葉すら知らないという。6月9日、電通グループが実施した第1回「カーボンニュートラルに関する生活者調査」で明らかになった。

脱炭素社会の実現に向けて、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」への取り組みが世界中で広がっている。

日本においても、政府が「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会を目指す」と宣言。この宣言を契機に、100社を超える日本企業が脱炭素への取り組みを加速させている。

最重要テーマのひとつとなった「カーボンニュートラル」だが、日本の一般消費者の約4割がその言葉すら知らないという調査結果が明らかとなった。

調査したのは、電通グループの電通ジャパンネットワーク。全国の10〜70代の男女1,400人を対象に、第1回「カーボンニュートラルに関する生活者調査」を実施した。

調査によると、「カーボンニュートラルという言葉をどの程度知っているか?」という質問に対し、38.7%が知らないと回答。「脱炭素」に関しては26.6%が知らないと答えた。

カーボンニュートラルという言葉の内容まで理解している生活者はわずか14.6%だった。

ただし、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みの必要性に関しては、37.1%が必要だと答え、「どちらかといえば必要だと思う」と回答した人を含めると、7割を超えた。

理解は正確でなくとも、社会全体にとって必要であるという認識は浸透しているようだ。

次に、カーボンニュートラルの実現に向けて取り組む企業に対する評価・印象では、27.6%の人が「応援したい」と評価し、次いで19.9%が「信頼できる」、16.2%が「長期にわたって利用したい」とした。

また、30.7%の人が「時代変化に適応している」、29.9%の人が「技術力・開発力がある」企業だというポジティブな印象を持っている。

41%の人が「電気代が月501円以上あがっても我慢する」

では、カーボンニュートラルの実現に向けて、一般消費者はどれだけの追加負担を我慢できるのだろうか。

41%の人が「電気代が月501円以上」あがっても許容できると回答し、値上がりを許容しないと答えた人は21.8%だった。

また、ガス代は「月500円以内の値上がりまで」と答えた人が最多の42.8%となり、水道代も500円以内の値上がりであれば許容すると回答した人が最多となった。

電通グループによると、「約8割の生活者は一定の追加費用の負担を許容する」としている。

政府は6月8日、カーボンニュートラル宣言後初めて、環境白書を取りまとめたが、その中で「世界の温室効果ガスの排出量はパリ協定の削減目標の達成にはほど遠く、豪雨や猛暑のリスクがさらに高まる」と予測している。

そのうえで、「一人ひとりがライフスタイルを変えることが必要」だという。

ライフスタイルを変えるためには、国民に対する浸透が欠かせない。政府のさらなるリーダーシップが問われている。

EnergyShift編集部
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