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AIIB、環境投融資を加速 一方、オランダ年金ABPは化石燃料から投資撤退

AIIB、環境投融資を加速 一方、オランダ年金ABPは化石燃料から投資撤退

2021年10月27日

世界的な脱炭素の流れを背景に、金融機関や投資家によるESG投資や化石燃料企業からの投資撤退等の動きが加速している。中国が主導する国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)は10月26日に年次総会を開き、気候変動対策に関連して2030年までに合わせて500億ドル(約5兆7,000億円)規模の投融資を行うと表明した。

金立群総裁は開幕式で、気候変動対策に関する投資や融資の拡大に意欲を示した。日経新聞の報道によると、これまでの総投融資は案件を承認したベースで147件、累計金額は約290億ドル(約3兆3,000億円)となった。2020年以降に2.4倍へと増えたが、コロナ対策やファンド向けの投融資などで上積みしている。

AIIBによると、2016~2018年に実施した気候変動対応への投融資は累計25億ドル(約2,850億円)だった。500億ドルの目標達成には年間の投融資額を4倍に引き上げる必要があるという。

中国がAIIBの最大出資国となり、増資など重要案件で事実上の拒否権を握る。加盟国の半分が南米やアフリカなど域外で、加盟国・地域は104となり、発足当初の57から8割増えた。欧州の主要国も参加しているが、日本や米国は参加していない。

環境投融資とは反対に、石炭ビジネスへの投資を撤退する動きが強まっている。

オランダの大手年金基金ABPは10月26日、化石燃料に関連する企業への投資をやめると発表した。売却は2023年1~3月期までに大半を終え、総額150億ユーロ(約2兆円)を超す見込み。温暖化ガスを多く出す企業からの包括的な「投資撤退」としては大規模となる。運用ポートフォリオ全体のCO2排出量を2025年までに2015年比で4割削減する目標を掲げ、石炭関連の投資縮小などを目指す。

世界有数の巨大な年金基金が、脱炭素に向けて舵を切ったことは他の投資家の判断にも影響すると予想される。

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ヘッダー写真:N509FZ, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

EnergyShift編集部
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