11月26日、資源エネルギー庁は「令和2年度(2020年度)エネルギー需給実績(速報)」を公表。これによると、2020年度の最終エネルギー消費は前年2019度比で6.6%減少したことが明らかになった。また、一次エネルギー国内供給は前年度比6.1%減、エネルギー起源のCO2排出量は前年度6.0%減(2013年度比21.7%減)で9.7億トンとなり、7年連続で減少した。
エネルギー起源CO2排出量
環境省「2020年度エネルギー需給実績(速報)参考資料」より
その一次エネルギーの供給源としては、化石燃料が7年連続で、原子力が2年連続で減少しつつ、再生可能エネルギー(再エネ)は8年連続で増加する結果となった。
また化石燃料の中でも、CO2排出量の多い石炭が同8.8%減、石油が同7.9%減となっている一方、天然ガス・都市ガスは同0.2%減。化石燃料シェアが東日本大震災以降で最小の84.8%であるとともに、原子力は同39.2%減と大きく減少している。
なお、増加した再エネでは太陽光・風力発電がけん引する形で同7.1%増となった。
脱炭素への着実な歩みが伺えた一方、エネルギー自給率(IEAベース)では、前年度比0.8%減の11.2%となっており、別の観点での課題を残した。
また、需要動向に関していえば、企業・事業所他部門はほぼすべての製造業で減少、最終消費が7.7%減(うち製造業は同9.5%減)となり、電力消費も同4.9%減となった。その一方で、家庭部門においては最終消費が同4.8%増、電力消費が同5.0%増となっており、新型コロナウイルス感染拡大による在宅時間増の影響などが大きかったとみられている。
なお、電力会社が一定の電力を作り出す際にどれだけのCO2を排出したかを推し測る、電力のCO2原単位(使用端)は、前年度比0.3%悪化し、0.48kg-CO2/kWhだった。
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