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トヨタ、2030年のEV販売台数目標を350万台に大幅修正 レクサスにも大改革か?

トヨタ、2030年のEV販売台数目標を350万台に大幅修正 レクサスにも大改革か?

2021年12月15日

12月14日、トヨタ自動車は電気自動車(EV)の世界販売台数を2030年に350万台とする目標を発表した。これまでは燃料電池車(FCV)と合わせて200万台を目標としていたが、今回の発表で大幅に引き上げた。また、バッテリーへの投資額も従来の1.5兆円から2兆円に増額し、さらに先進的で良品廉価な電池の実現を目指すとした。

「2030年までに30車種のバッテリーEVを展開し、グローバルに乗用・商用各セグメントにおいてフルラインでバッテリーEVをそろえてまいります。」都内で開かれた説明会で、豊田章男社長はそのように語った。

今回の目標の上方修正について、同氏や前田昌彦チーフテクノロジーオフィサーらは、200万台という従来目標も十二分に高いものだと述べつつ、今年11月に行われたCOP26や米国大統領令を受けた世界的な市場動向などを踏まえてその理由を説明。トヨタの世界的な立ち位置を鑑みた際に「我々としてはこの台数くらいまではきちっと対応できるような準備が必要なのではないか」という志と実現可能性を天秤にかけた上で、今回の350万台という数字を発表した経緯を明かした。

これまで、EV車種については2025年までに15車種というのが、2021年4月時点での目標だった。EV販売台数についても2021年4~9月期の販売台数が世界で7,000台であり、これから急進的な戦略が求められることとなる。

まずは、2022年半ばに初の量産型となる新型EV「bZ4X」を世界で発売する。bZ4Xはトヨタとスバルの共同開発車で、BEVのために完全に新設計されたプラットフォーム(車台)を使用することが特徴だ。

また、高級車ブランドの「レクサス」については、2030年までに欧州、北米、中国で、2035年までに世界全体でEV比率を100%にするとのこと。同ブランドからも、bZ4Xと同じ車台を使ったSUVのEV「RZ」を発売が予定されている。

こうしたEV車種の拡充の鍵を握るのが、バッテリーだ。すでに電池関連の特許数で世界1を誇るトヨタだが、2030年までにEVに振り向ける4兆円のうち、バッテリーへの投資額は2兆円にのぼる。

蓄電池に関しては、2030年に3,000GWhの電池確保を目標とする米テスラを始め、独フォルクスワーゲン(VW)、米ゼネラル・モーターズ(GM)など世界中にライバルがひしめく状況だ。トヨタが目標とする2030年280GWhの電池確保は決して少ない数字ではなく、EVで先行する他社を全速力で追いかけていく。

トヨタは、12月4日にも、2035年までに欧州での新車販売を全て、EVなどゼロエミッション車に切り替えると発表。同社が持つ、EVへのネガティブイメージの払しょくに動いたばかりだった。相次ぐ目標の上方修正によって、トヨタのEV促進へのアピールがどの程度まで世界に浸透していくのか、これからも注目だ。

 

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EnergyShift編集部
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