タカラレーベンは酪農家の牛ふん処理問題の解決に向け、7月29日、静岡県富士宮市の合同会社富士山朝霧Biomassに出資し、牛ふんを燃料にしたバイオマス発電事業に参入した。発電した電気は富士宮市内の新電力に売電することで地産地消にもつなげる。
牛ふん処理にはコストがかかるため、酪農家にとって牛の糞尿処理は大きな課題のひとつになっている。
だが、牛ふんを発酵処理をするとメタンガスが発生する。それを燃やせば、タービンを回し、電気を生み出すことができる。
今回、タカラレーベンが出資した富士山朝霧バイオマス発電所では、発酵処理の過程で生成されたメタンガスから電気をつくり、売電収入を得ることで、コストがかさむ牛ふん処理を安定的に実施し、1日あたり17トン、約350頭分の牛ふんの処理を目指している。
さらに発酵後の消化液は、液体肥料として農作物の栽培に利用可能なため、高騰する化成肥料に変わる肥料として茶畑やゴルフ場などに販売する予定だ。
また、年間63万3,792kWhが想定される電力は富士宮市内の新電力に売電することで、地域資源から電気や肥料をつくり、それを地元で使うという、循環型再生可能エネルギーを実現させたい考えだ。
バイオマス発電所は2021年7月に着工し、2022年度以降の稼働を予定している。
ニュースの最新記事