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丸紅、EV用リチウムイオン電池の循環型ビジネス構築へ 米最大手電池リサイクルRetriev Technologiesと

丸紅、EV用リチウムイオン電池の循環型ビジネス構築へ 米最大手電池リサイクルRetriev Technologiesと

EnergyShift編集部
2021年02月18日

丸紅株式会社と、北米最大手電池リサイクル業者であるリトリブ テクノロジー(Retriev Technologies Inc.)は、リチウムイオン電池(LiB)のリサイクルに関する事業開発に係わる戦略的パートナーシップ契約を締結した。今後、民生・車載用のリチウムイオンの廃電池(廃LiB)からコバルトやニッケルを精製し、電池材料分野向けに活用するビジネスを共同で開発していく。

EV需要の急速な拡大に伴い、廃LiBの発生量は今後増加していくことが見込まれている。廃LiBの適切なリサイクル処理と再利用は社会課題の一つとなってきている。このパートナーシップ締結で、丸紅はBattery to BatteryのClosed Loop Recycling*1のビジネスモデル構築を目指し、社会課題の解決に貢献したいとしている。

米リトリブ社は、北米における電池リサイクル業界の先駆者であり、同社の廃LiBの処理量は北米で最大の規模になる。同社は民生用及び車載用の廃LiBを集荷、破砕や分離の処理を施し、有価金属を回収・販売している。

丸紅は、1985年にザンビアのコバルト生産者の対日向け独占販売権を取得後、電池材料分野の原料トレーディングに携わってきた。リトリブ社と丸紅は、民生用及び車載用LiBの原料となる硫酸塩*2や前駆体*3、正極材の製造を目的とし、同分野での技術的知識と専門性を持ち合わせている化学メーカーとも協力しつつ、事業を進めていくとしている。

参照
丸紅プレスリリース「リチウムイオン電池の循環型ビジネス構築に係わる戦略的パートナーシップ契約締結について」2021年2月17日
Retriev Technologies Inc.(リトリブ テクノロジー)


*2 硫酸塩:硫酸イオンを含む無機化合物の総称。LiBの原料となる硫酸塩は、硫酸コバルトや硫酸ニッケルなど。
*3 前駆体:ある化学物質についてその物質が生成される前の段階の物質のこと。電池材料分野では正極材に焼成する前の物質を意味する。
*1 Closed Loop Recycling:生産時に発生した廃棄物、スクラップや、回収した使用済み製品を再び同種製品に活用する手法で、素材の持つ本来性質を損なうことが無い形で同じ素材の原料として無限に循環利用されるリサイクル。新たに投入される天然資源消費量の削減や、それに伴う環境負荷物質排出量の低減、廃棄物の削減が図られる。

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