平井陽一朗のテスラに乗って 第1回 さよなら テスラ君 | EnergyShift

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平井陽一朗のテスラに乗って 第1回 さよなら テスラ君

平井陽一朗のテスラに乗って 第1回 さよなら テスラ君

2021年07月08日

EV(電気自動車)の代表的存在となったテスラ。車としての存在だけでなく、もちろんそれを生み出す企業的価値を、いまさらこのEnergyShiftというメディアで語る必要もないだろう。でも、そのテスラという存在を体感できた人はまだまだ日本には少ないはず。そんなあなたに平井氏がテスラと過ごした日々を、時々DX(デジタルトランスフォーメーション)的な目線でお送りする連載がここについにスタート!

(第一回)さよなら テスラ君

先日、4年間乗ったテスラ君とお別れしました。
故障やバグなど色々とありましたが、なんだかんだで素敵な思い出です(これはまた次回以降で綴っていきます)。今回は、エナシフ編集部さんに連載のご機会を頂いたので、ちょっとテスラとの思い出にも浸りつつ、クルマや移動の未来に想いを馳せてみたいと思います。

あ、申し遅れました。私、平井陽一朗と申しまして、ミッドライフクライシスを迎えた、小学生二人と犬一匹のパパ業に奮闘している、都内在住の者です。

さて、思い返すと、僕とクルマとの付き合いはかれこれもう30年。
30年前当時、僕は米国ニューヨーク州に住んでいたので、16歳で免許が取得できました。10問くらいの極めて常識的な問題を、区役所みたいな場所で受けてパスすると仮免許がもらえて、そうすると免許所有者が同席さえしていればもう公道を運転できます。
数回、自分のクルマの助手席に講師の方に乗ってもらい、縦列駐車などをパスすればもう免許交付で、さすがクルマ社会の米国です。
いとも簡単に免許が取れたのを覚えています。

初めてのクルマは、PontiacのSunbirdという、クーペ型のアメ車のカローラみたいな車でした。
高性能ではないけれど、ワインレッドの色、スポーティーな外観、何しろ初めてのクルマですからね、とても気に入って毎日通学で使っていました。
3年間で5万マイルくらい乗ったと思います。
そこから30年間、クルマなしでは生きられない体となっております(笑)。

初めての仕事もクルマ関連でした。商社で日本製の自動車やトラックを輸出する業務から始め、南米でトラックのリース会社も立ち上げたりもしました。

僕のこれまでのクルマ遍歴をたどると、前述PontiacのSunbirdのほかに、カローラレビン(ハチロクならぬハチゴ・・・)やブルーバードのSSS、BMW、マツダRX-7(スピリットR)、古ーいジャガーX8、アルファロメオ159 Q4、メルセデス・ベンツE350などを乗り継いできました。
ということで、僕とクルマとは昔から縁が深く、またそれなりにこだわりもあったように思います。

クルマの買い替えは、僕の場合、大体車検のタイミングか、引っ越しのタイミングになります。3−4年に一度くらいですかね。新車は買いません。いつも全部中古です。日本は車検制度の影響もあり、中古車が割安すぎるほどの価格で手に入りますから。

そんな私とテスラ君の出会い

そんな僕がテスラへの乗り換えを検討したのは2017年初頭のことです。それまで気に入って乗っていたE350ですが、走行距離が7万kmを超え、少々飽きも出てきた頃に引っ越しが重なり、車庫スペースが機械式から平置きに変わってかなり大きくなりました。
これを機にクルマを買い替えようか、と探し始めたのですが、なかなかどれもしっくりこない。
車幅も車高も気にする必要がなくなったのだから、たとえば同じメルセデス・ベンツのGクラス(通称ゲレンデ)などはどうかと僕は思うも、妻は「ギラギラしていて同乗したくない」と・・・。

「じゃあカイエンは?」
「みんなと一緒な感じで微妙・・・」
「・・・(そ、そんなにみんな乗っているか?? たまたま知り合いの奥さんが数人乗っているけれど・・・)」

内心、アルファードは良い選択かもな、と思いつつ、それこそ街中でたくさん見かけるのと、完全に家族専用の運転手感が満載になるので、あえて提案はせず(^◇^;)。

「シーマは?」 「あなたの外見だと、怖い人と間違えられそうだからイヤ。」「(^◇^;)」
「じゃあどういうのなら良いんだい?」と聞くと、
「ちゃんと4ドアで、ギラついてないけどスタイリッシュで安っぽくなく、静かで、あまり見かけないようなクルマ。あと、広くて荷物をたくさん積めないとイヤ。」
「・・・(そんなクルマ、あるのか?? あ、ハイブリッドとか電気自動車とか?)」

そしてテスラへ

2017年初頭当時、ちまたに出ていたEVは日産リーフ、ホンダフィット、BMW i3など。ハイブリッドだと一番メジャーなプリウスなどトヨタ系。
でも自分的にはどれも外観が・・・、うーむ、となっていた時にふと頭をよぎったのがテスラだったのです。
早速ネットで検索してみると、うん、これはカッコイイ上にギラついてない!(その頃はモデルS一択です) テスラに乗っている人も周りにまだほとんどいない! EVだから静かに決まっているはず! おぉっ!!! これかも!

さらに、そのあと状態が良いモデルSの新古車を見つけたので、すぐに試乗予約をして、青山にあるテスラのディーラーに足を運んでみたのでした。

(第二回につづく)

平井陽一朗
平井陽一朗

BCG Digital Ventures Managing Director & Partner, Head of Asia Pacific & Japan 三菱商事株式会社を経て2000年にBCGに入社。その後、ウォルト・ディズニー・ジャパン、オリコンCOO(最高執行責任者)、ザッパラス社長兼CEO(最高経営責任者)を経て、2012年にBCGに再入社。キャリアを通し、一貫して事業開発に関わっており、特にデジタルを活用した新規事業立ち上げを多く主導。 BCGハイテク・メディア・通信グループ、およびコーポレートファイナンス&ストラテジーグループのコアメンバー。メディア、エンターテインメント、通信業界を中心にアライアンス、成長戦略の策定・実行支援、特にデジタル系の新事業構築などのプロジェクトを手掛けている。 また、BCG Digital Ventures 東京センターの創設をリードし、2016年4月の同センター開設後は、マネージングディレクター&パートナー、およびジャパンヘッドとして、2021年からはアジア・パシフィック地区のヘッドとして、新規事業アイデアの創出、新規事業の出資を含めた立上げなどを幅広く手掛けている。同デジタルベンチャーズ出資先数社の社外取締役を兼務。

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