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ECBが気候変動による経済への影響を調査 金融機関に深刻な影響

ECBが気候変動による経済への影響を調査 金融機関に深刻な影響

2021年09月24日

9月22日、欧州中央銀行(ECB)は、ユーロ圏経済への気候変動の影響を分析する調査結果を公表した。それによると、気候変動への対応がなされない場合、ユーロ圏の銀行は深刻な影響を受ける可能性があるという。

この「気候変動ストレステスト」は、3つの異なる気候政策シナリオの下で、世界中の400万社以上の企業と1,600のユーロ圏の銀行が気候変動の影響を受けるかどうかを検証したものだ。

検証結果によると、企業も銀行も温暖化対策を早い段階で採用し、ゼロカーボン経済への移行を進めることで明らかな利益を得られることがわかった。

気候変動リスクには、自然災害の頻度や規模の増加が予想される場合の経済的影響を指す物理的リスクとCO2排出量を削減するための政策を導入する際のコストを指す移行リスクがある。今回の調査では、早い段階で対策を講じることで、企業のエネルギー効率が向上し、エネルギー価格が全体的に安くなるため、中長期的には初期費用を上回るメリットがあることがわかった。

反対に、欧州圏の銀行が温暖化対策をしなければ、時間の経過とともに物理的リスクが増加し、不良債権処理損失が大幅に膨らむことが分かった。2050年には計画的に移行を進めた場合に比べて、債務不履行の発生確率が8%も高まるという。

発表の中でECBの副総裁であるLuis de Guindos氏は、「環境に優しい経済に移行するための政策がなければ、物理的なリスクは時間とともに増加します。環境に配慮した経済への移行と、将来的な自然災害の影響の両方のコストを軽減するためには、早い段階から徐々に移行していくことが不可欠です」と述べている。

EnergyShift編集部
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