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エコツーリズム

エコツーリズムとは?環境保全に取り組む観光地をご紹介!

2021年12月13日

観光地の開発において、環境破壊が長年問題視されてきました。次第に環境保護への意識が高まり、国を挙げた一大プロジェクトとして、発展途上国を中心にエコツーリズムが実施されるようになりました。今回はエコツーリズムの定義を改めてご説明し、おすすめの観光地をご紹介しておきます。

エコツーリズムって?

エコツーリズムとは、地域ぐるみで自然環境や歴史文化など、地域固有の魅力を観光客に伝えることにより、その価値や大切さが理解され、保全につながっていくことを目指していく仕組みです。観光客に地域の資源を伝えることによって、地域の住民も自分たちの資源の価値を再認識し、地域の観光のオリジナリティが高まり、活性化させるだけでなく、地域のこのような一連の取り組みによって地域社会そのものが活性化されていくと考えられます。

▼エコツーリズムに期待される効果

  • 環境保全:旅行者や住民の意識が高まり、地域の自然環境・文化資源が保全されます。
  • 観光振興:新しい旅行のニーズに対応し、新たな観光需要を起こすことができます。
  • 地域振興:雇用の確保、経済波及効果、住民が地域に誇りを持つことなどにより地域振興につながります。

2007年6月の参議院本会議において、エコツーリズムを推進していくための指針となる「エコツーリズム推進法」が制定されました。環境省では、エコツーリズム推進のための政策やセミナーなども行われています。

エコツーリズムが体験できる観光地

ここでは、地球に優しい取り組みをしている国内外の観光地を厳選してご紹介していきます。

奄美大島 / 鹿児島県

奄美大島は鹿児島県と沖縄県とのほぼ中間に位置し、亜熱帯の豊かな森や美しいサンゴ礁が多くの人々を魅了しています。希少種を含む多様な生物が生息していることが評価され、2021年7月に世界自然遺産に登録されました。

知名度が向上し、観光客が増大することで、自然資源への負荷の増大も懸念されます。観光客の増加を一過性のものとしないため、自然環境を保全しつつ満足度を高める取り組みとして、「奄美群島エコツーリズム推進協議会」が設立されました。自然だけでなく、人と自然との関係そのものを保全・活用の対象としており、「環境保全」「地域振興」「観光振興」の3つのバランスのとれた発展を目指すエコツーリズムの取り組みは奄美群島に相応しい利用方策と考えられます。

奄美大島

屋久島 / 鹿児島県

豊かで美しい自然が残されており、島の90%が森林である屋久島は、1993年に日本で最初の世界遺産に登録されました。しかし最近では、観光客の過度な登山道利用による土壌侵食だけでなく、酸性雨、黄砂、温暖化の影響など地球規模での気候変動の影響も指摘されています。

環境保全対策として登山道やトイレなどの施設整備、携帯トイレの導入、マイカー規制の実施と登山バスの運行などを行ってきました。2009年には、屋久島町エコツーリズム推進協議会が発足し、山岳部に集中する利用の分散化を進める策として、島内の各集落に今も残る昔ながらの生活様式や伝統を体験するエコツアーの導入を進めています。

屋久島
出典:https://www.kagoshima-kankou.com/guide/10734/

ボルダーズビーチ / 南アフリカ

広大な動物保護区があることで知られる南アフリカ。ボルダーズビーチはサイモンズタウンの近くのケープ半島に位置しており、1982年に定住したアフリカペンギンを間近で観察できることで人気の観光スポットです。これらのペンギンは絶滅危惧のため、ケープ自然保護の保護下に置かれています。また、ケープタウンの移動に使われるタクシー「グリーン・キャブ」は環境に配慮した仕様。

ボルダーズビーチ
出典:https://tavitt.jp/spot/boulders-beach/

モルディブ / モルディブ共和国

ハネムーンでも人気が高いモルディブは、美しいビーチや水上コテージがあることで有名なリゾート地。実は、地球温暖化の影響で海水面が上昇し国土面積が減少したり、海水温の上昇によりサンゴ礁が崩壊したりするなどの危機に晒されています。

気候変動に対処すべく、今ではほとんどの観光事業がエコツーリズムとなっており、自然に触れながら環境問題について学べるツアーなどがあります。

モルディブ

クラビ島 / タイ

プーケット島からパンガー湾を挟んですぐ東にあるクラビは、切り立つ石灰岩の岩壁と熱帯のジャングルに抱かれた秘境のビーチリゾート。観光客を乗せたボートが海底のサンゴ礁を傷つけたり、スクリューで巻き上げた海砂がサンゴ礁に降りかかることでサンゴ礁の白化が進んだりしていました。そこで、環境保護の観点からジェットスキーなどの使用を禁止し、天然ビーチの保護やサンゴ礁の浄化に取り組んでいます。他にも、ゴミの削減やリサイクルなど、徹底的に環境保護活動が実践されています。

クラビ島
出典:https://www.thailandtravel.or.jp/areainfo/krabi/

おわりに

エコツーリズムには環境保護や経済波及効果などの効果が期待されており、「持続可能な観光」として推進されています。昨今の環境意識の高まりから、今後より一層需要が拡大するのではないでしょうか。

エコツーリズムの普及と定着には、観光事業者や地元住民だけでなく、旅行者である皆さんの協力も必要です。まずはエコツーリズムの目的と効果を正しく理解して、積極的に参加してみてください。

EnergyShift編集部
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