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近年増えている異常気象は地球温暖化が関係している!?

近年増えている異常気象は地球温暖化が関係している!?

2021年02月25日

高温や豪雨など、異常気象が増えているように感じませんか?毎年のように世界のどこかで起こっている異常気象が報じられています。そして異常気象によって、人命・経済・農作物など、様々な被害が発生しています。
異常気象は地球温暖化と関連しているのでしょうか?

近年起こった異常気象

まず最初に、近年起こった異常気象を5つご紹介します。
・2018年7月:西日本から東海地方の豪雨
・2013年夏:極端な天候
・2019年9月:インド中部の大雨
・2014~2015年:タイの少雨
・2013年12月~2014年1月:北米の顕著な寒波

2018年7月:西日本から東海地方の豪雨

2018年7月、西日本から東海地方を中心に記録的な豪雨に見舞われました。中国地方、近畿地方などの多くの地点で、48時間雨量、72時間雨量などが観測史上1位を記録しています。この豪雨によって、237人が死亡。中でも被害が大きかった広島県で115人、岡山県で66人が亡くなりました。

2013年夏:極端な天候

2013年の夏は、全国的に極端な天候が観測されました。夏平均気温で、西日本が統計開始以降第1位、東日本が同第3位、沖縄・奄美が同第2位を記録しています。高知県四万十市江川崎では、8月12日に最高気温41℃を記録し、日最高気温の記録を更新しました。(現在の記録は2018年7月23日に埼玉県熊谷で記録された41.1℃)

また、日本海側を中心に多雨を記録し、東北地方の7月の降水量が平年比182%と、統計開始以降第1位を記録。北陸地方の夏の降水量は平年比151%で同4位を記録しました。

一方、東・西日本の太平洋側や沖縄・奄美の一部地域では、少雨に見舞われました。九州南部・奄美地方では、7月の降水量が平年比11%と観測史上1位、東海地方の夏の降水量が平年比64%と同3位を記録しています。

2019年9月:インド中部の大雨

2019年9月、インド中部が大雨に見舞われました。2019年9月の降水量は、過去23年で最も多かった1998年9月を大幅に超えました。この⼤⾬による洪⽔で300⼈以上が死亡したとされています。

2014~2015年:タイの少雨

タイのほとんどの地域で、2014年からの18ヶ月間の降水量が平年を下回りました。チャオプラヤ川流域の2014年の年間積算降水量が、2000年以降で最小を記録。2015年5月から6月の降水量が平年比40%以下を記録した地点も多くありました。この少雨によって、ダムの貯水量が低下して断水となった地域が出たり、農作物の作付け延期が政府から呼びかけられたりなど、様々な影響がありました。

2013年12月~2014年1月:北米の顕著な寒波

北米では2013年の12月から2014年の1月に強い寒波の影響を受けて、カナダからアメリカの広い範囲で気温が平年を下回りました。アメリカのモンタナ州グレーフォールズでは12月7日の日平均気温が-29℃以下を記録しています。これは平年より27℃も低い気温です。
この寒波の影響受けて、12月上旬に4名、1月上旬に14名が亡くなっています。さらに寒波に伴う強風などの影響を受けて、12月上旬に米国南部や南東部などで30万戸が停電し、1月上旬には東部から中部にかけて最大14万2千戸が停電しました。また航空機の遅延や欠航など、交通機関への影響も発生しました。

異常気象による被害

異常気象は、私たちに様々な被害がもたらします。ここでは以下の5つの被害についてご紹介します。

・人命の損失
・経済への被害
・農作物への被害
・住居・建築物への被害
・健康被害

人命の損失

豪雨による土砂崩れや、川の氾濫による洪水、熱波による熱中症、寒波による凍死や低体温症など、異常気象によって多くの人命が失われます。先程ご紹介した2018年7月豪雨では、237人が亡くなりました。

経済への被害

異常気象によって、経済も大きな被害を受けます。豪雨による土砂崩れや洪水では家屋や事業所が倒壊、熱波や寒波では機器の故障、強風による停電、交通機関の麻痺などが起こります。復興・復旧させるには、多額の費用が必要です。2018年7月豪雨の被害額は、約1兆940億円に上りました。

農作物への被害

農作物や農地も大きな被害を受けます。土砂崩れや洪水により農地が荒れてしまうと、営農できなくなり、作物も収穫できません。また寒波や熱波、少雨あるいは大雨によって作物の生育が阻害されてしまいます。2018年7月豪雨では、農業関係の被害額が約1560億円でした。

住居・建築物への被害

土砂災害や洪水により、住居等の建築物が倒壊・半壊してしまいます。また建築物に浸水や、土砂が流れ込んだ場合、復旧するために多額の費用や多くの作業が必要です。2018年7月豪雨では、家屋の全半壊等2万663棟、家屋浸水2万9766棟と、甚大な被害が出ました。

健康被害

熱波による熱中症、寒波による低体温症など、異常気象は健康被害をもたらします。また、住居を失った場合、避難所等での生活を余儀なくされることも。プライバシーのない空間や慣れない生活、食事、住居を失ったストレスなどから心身の体調を崩してしまう人もいます。

異常気象が起こるのは地球温暖化が影響している!?

異常気象には、地球温暖化が影響していると指摘されています。地球温暖化により地球の平均気温が上昇することで、異常な高温が発生する確立が高まると考えられます。

また地球の平均気温が上昇すると、海や地表から蒸発する水分が増加して大気中の水分が増えるため、台風やハリケーンの大型化や、雨量の増加などが起こるのです。国立環境研究所地球環境研究センター副センター長の江守正多氏は、「気温が1℃上がると、水蒸気量が7%くらい増えると考えられます」と述べています。

このように異常気象には、地球温暖化が関係していると考えられています。

このまま地球温暖化が続くとどうなる?

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)では、100年後の地球の平均気温は、現在よりも0.3℃~4.8℃上昇すると見積もられています。このまま地球温暖化が進めば、平均気温上昇による異常な高温の増加や台風やハリケーンの大型化、豪雨の増加は避けられないでしょう。

一方で、すべての地域で同様の変化が起こるわけではありません。国立環境研究所の江守正多氏は「熱帯と高緯度で降水量が増加し、亜熱帯で減少する」「現在の気候で降水量の多い地域では降水量がさらに多くなり、少ない地域ではさらに少なくなる」と予測しています。

地球温暖化が進むことで多くの地域で異常な高温の増加、台風やハリケーンの大型化、豪雨の増加が起こるでしょう。そして干ばつがより進み、山火事も増えます。人命・経済・農作物・建築物・健康など、多くの被害が起こると予測されています。

私達への影響

2018年7月に西日本から東海地方を襲った豪雨では、広島県と岡山県の被害を中心に報道するニュースが連日テレビで放映されました。他にも海外を襲った熱波や豪雨、ハリケーンの被害などの報道を覚えている方も多いのではないでしょうか。

被害に合われて、大変な思いをされた方が大勢いらっしゃいます。テレビから流れるショッキングな映像に、胸を痛めた方も多いでしょう。このまま地球温暖化が進行して異常気象が増えると、あなた自身が被害に合う可能性も高まっていきます。自分たちを守るためにも、地球温暖化対策が必須です。

地球温暖化を食い止める方法

地球温暖化を食い止めるには、国や企業が率先して対策を進めなければなりません。中でも「再生可能エネルギーの普及」が不可欠です。石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料にエネルギーを依存していると、その分二酸化炭素が排出され、地球温暖化が進行してしまいます。

他にも建築物に対する省エネルギー性能の高い設備の導入促進や、森林の保全・都市緑化、EV・ハイブリッド車の導入促進など、様々な施策が必要です。

そして、一人ひとりに出来ることはわずかですが、多くの人が協力して地球温暖化防止に貢献しなければなりません。省エネをして電力消費を抑えることで発電量を減らす、つまり化石燃料消費を減らすことに貢献できます。以下に私達にもできることの一部をご紹介します。

・照明をLEDにする
・照明やテレビは必要なときのみ電源を付ける
・エアコンや冷蔵庫などの家電を、電力消費の少ないものに買い換える
・エアコンの設定温度を、夏28℃、冬20℃にする
・車をハイブリット車や電気自動車に買い換える
・車の使用をできるだけ避け、徒歩や自転車移動を増やす

地球温暖化とその対策については、以下のページで詳しく解説しています。

おわりに 

このまま地球温暖化が進行することで、異常気象も増加すると考えられます。異常気象が増加すると、人命・経済・農作物・建築物・健康など、様々な被害も増加します。私達の命や生活を守るためには、地球温暖化を防いで異常気象の増加を抑えなければなりません。
世界中の国々が地球温暖化を止めるために様々な取り組みを進めています。そして、国だけでなく私達一人ひとりが危機感を持って、対策を考えなければなりません。今後の地球環境や人類のためにも、できることから少しずつ始めましょう。

EnergyShift編集部
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