J-POWERは3月31日、今冬の需給ひっ迫からの電力販売価格の高騰によって、営業利益が約720億円の増益になると発表した。一方、JEPX(日本卸電力取引所)から電力を調達し、小売事業者に販売する100%子会社、J-POWERサプライアンドトレーディング(JPST社)は約740億円の特別損失が発生、2021年3月期決算において556億円の債務超過になる見込みだ。
JPST社の債務超過を受け、J-POWERは3月31日開催の取締役会において、JPST社に対する貸付金のうち570億円について債権放棄することを決定した。
この結果、2021年3月期のJ-POWER個別決算において、570億円を関係会社債権放棄損として特別損失に計上する。
なお、当該債権放棄については、連結決算においては相殺消去されるため、これによる連結業績に与える影響はないとしている。
J-POWERが41%出資するエナリス社もまた、電力調達価格が高騰した結果、営業損失が発生した。
これを受け、J-POWERは「金融商品に関する会計基準」に基づき、エナリス社への投資簿価全額を減損処理することになった。
この結果、2021年3月期のJ-PWER個別決算において141億円を関係会社株式評価損として特別損失に計上する予定だ。
また、2021年3月期の連結決算においては、エナリス社の当期純損失見込額のJ-POWER持分相当、J-POWER個別決算の減損処理に伴うのれんの減損計上により、115億円を持分法による投資損失として営業外費用に計上する。
なお、エナリス社に係る持分法による投資損失の計上に関しては、2021年2月26日公表の連結業績予想に織り込んだ影響額からの変動が軽微であるため、業績予想の修正はしていない。
電力価格高騰に伴う営業利益、特別損失及び持分法による投資損失の計上に関するお知らせ
ニュースの最新記事