用語集PCS|EnergyShift

脱炭素を面白く

EnergyShift(エナジーシフト)
EnergyShift(エナジーシフト)

PCS

PCS

PCS[Power Conditioning System]とはパワーコンディショナとも呼ばれ、大まかに太陽光パネルから出力される直流電力を交流電力に変換するインバータと、事故などの場合に系統を保護する系統連系保護機能とで構成される装置。\n\nPCSの回路方式は大別して以下の3種類がある。\n・商用周波絶縁トランス方式:インバータ回路にて商用周波数の交流を作り、商用周波数の変圧器を用いて絶縁と電圧変換を行う。耐雷性やノイズに強いが、商用周波変圧器を用いるtまえ重量が重い。\n・高周波絶縁トランス方式:小型・軽量であるが、回路が複雑になる。\n・トランスレス方式:小型・軽量で安価かつ信頼性も高いが、電力系統とは絶縁されておらず、直流地絡検出などの保護装置が必要となる。\n\nPCSは直流を交流に変換するだけでなく、以下の機能を備えている。\n ・自動運転停止機能:PCSは早朝、日の出とともに日射強度が増大して出力が取り出せる条件になると、自動的に運転を開始し日没時に運転を停止する。曇天や雨天時など日射強度が低く太陽光パネルの出力が低くなりPCSの出力がほぼ0になると、待機状態になる。\n ・最大電力追従制御機能:MPPT[Maximum Power Point Tracking]制御とも呼ばれ、PCSの直流動作電圧を一定時間間隔でわずかに変動させ、そのときの太陽光パネル出力電力を計測して前回との比較を行い、常に電力が大きくなる方向にPCSの直流電圧を変化させることにより、太陽光パネルから最大出力を取り出すことができる機能。\n ・単独運転防止機能:事故などで系統電源(電力会社の発電設備)から切り離された単独運転状態になると、電力会社の配電網から電気的に切れている配電線に太陽光発電システムから電力が供給され、保守点検者に危害を及ぼす場合がある。このため、太陽光発電システムの運転を停止する必要があるが、単独運転状態では、電圧継電器(OVR、UVR)、周波数継電器(OFR、UFR)では保護できない。その対策として、単独運転防止機能が設けられ、安全に停止できるようになっている。\n ・電圧上昇抑制機能:太陽光発電システムを系統に接続して逆潮流を行った場合、電力の逆送のため受電点の電圧が上昇し、電力会社の運用範囲を超える可能性がある。これを避けるために、電圧上昇抑制機能を設けて、電圧の上昇を防止している。\n ・直流地絡検出機能:トランスレス方式のPCSでは、太陽光パネルと電力系統側が絶縁されていないため、PCS内部に直流の地絡検出器を設置し、地絡を検出、保護している。\n ・直流分検出機能\n\n(一般社団法人 太陽光発電協会 \"太陽光発電システムの設計と施工\"より引用)