脱炭素の動きは「野球界」にも広がっている。
2021年6月7日、阪神タイガース、大阪ガス、阪神電鉄の3社は「J-クレジット制度」を活用し、「ウル虎の夏2021」期間中に阪神甲子園球場で開催される試合で発生するCO2を削減すると発表した。
阪神甲子園球場で開催される試合では、照明・空調・売店での調理などによって電気やガスをはじめ、多くのエネルギーが消費されている。「ウル虎の夏2021」は7月9日〜14日に実施され、期間中で80~90t排出されるCO2を削減する予定だ。これは、スギの木約60本が1年間に吸収するCO2量に相当する。
阪神甲子園球場では、これまでに「銀傘(球場の大屋根)への太陽光発電の設置」や「球場内で販売する飲料のプラスチックカップのリサイクル推進」といった活動が実施されてきた。
今回の取り組みでは、それらに加えて「カーボン・オフセットのPR」と「CO2排出量の削減に向けた喚起」が行われる。阪神電車ではすべての駅で自動構内放送が流れ、試合中はスコアボードに近本選手が登場。観客に向けてメッセージを発信する。これによって、地球温暖化防止などの環境問題への関心を高める狙いだ。
近本選手は大阪ガス出身。球団を通じて「僕がタイガースに入団する前にお世話になっていた大阪ガスさんと、このような形で一緒に取り組んでいけることを嬉しく思います。これを機に、僕自身も様々な環境問題に目を向けて、日常の中で自分たち一人一人ができることに取り組んでいきたいと思います」とコメントを残した。
このような取り組みが社会にどのような影響を与えるのか、今後も注目していきたい。
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