窓ガラスで太陽光発電するユビキタスエナジー、3,000万ドル資金調達 ENEOSも出資 | EnergyShift

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窓ガラスで太陽光発電するユビキタスエナジー、3,000万ドル資金調達 ENEOSも出資

窓ガラスで太陽光発電するユビキタスエナジー、3,000万ドル資金調達 ENEOSも出資

2022年01月18日

透明で窓ガラスとして使用できる太陽光発電技術を開発した、米国スタートアップのユビキタスエナジーは、2022年1月11日、シリーズBの3,000万ドルの資金調達を終了したことを発表した。同社はこれにより、合計7,000万ドルの資金を調達したことになる。資金を提供した企業には、日本のENEOSも含まれている。

ユビキタスエナジーが製造・販売する透明な太陽光発電パネル「UEPower」は、透明性を維持しながら半導体材料によるコーティングを利用して発電するしくみとなっており、従来の窓と区別がつかないものだ。コーティングはナノメートル(100万分の1)サイズの厚さしかなく、細いワイヤで電気を取り出すしくみとなっている。価格は従来の窓ガラスよりも30%高いものとなる見込みとなっており、2024年初頭までに大規模生産を行なうことを目指している。

発電効率は約10%を見込んでいるが、理論上は約14%となる。建物に採用することで、CO2排出量をおよそ40%削減できるとしており、広く採用されれば将来的には世界のCO2排出の10%程度まで削減できるとしている。世界全体では毎年200億平方フィート(約18.6平方メートル)以上の窓が設置されており、これをUEPowerに置き換えることでCO2排出削減が進むことになる。また、窓以外の用途についても検討している。

出資者のうち、ドアや窓のトップメーカーであるアンダーセン・コーポレーションの会長兼CEOであるジェイ・ランド氏は、「窓とドアを介して住宅や商業ビルに太陽エネルギーを導入するユビキタスエナジーの取組みをサポートし、新しいスマートホームの創出を楽しみにしています。住宅の所有者に喜んでもらい、地球の健康に貢献します」と述べている。

また、ENEOSの執行役員未来事業推進部長の矢崎靖典氏は、ユビキタスエナジーの技術について、効果的で手ごろな価格の次世代テクノロジーと評価した上で、「米国内外で太陽光発電の採用が増える中、チームと協力することを楽しみにしています」と述べている。

日本では、ENEOSと日本板硝子がUEPowerの発電能力や省エネ性能を検証する実験を、日本板硝子千葉工場で行っている。

ユビキタスエナジーのCEOであるスーザン・ストーン氏は、「私たちの技術は10年以上前からMIT(マサチューセッツ工科大学)とMSU(ミシガン州立大学)で始まって以来、環境に影響を与えることに取り組んでいます。この資金調達ラウンドは、再生可能エネルギーのポートフォリオの可能性を拡大し、世界が窓を太陽光発電に利用することに役立ちます」と述べている。

EnergyShift編集部
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