気象庁は3月29日、日本付近の大気中の二酸化炭素濃度は年々増加を続けており、2020年も陸上、洋上及び上空の観測全てにおいて観測史上最高を更新したと発表した。
気象庁では、地球温暖化の主要因である大気中の温室効果ガスの観測※1を、日本を含む北西太平洋域の陸上、洋上、上空で立体的に行っている。
今般、2020年(1月〜12月)の二酸化炭素の観測結果を取りまとめたところ、地上観測地点、観測船による北西太平洋域の洋上、航空機による日本の南東上空の濃度はいずれも観測史上最高を更新した。
社会経済活動により排出された二酸化炭素の約半分は陸域や海洋に吸収され、年々の増加量は自然の変動に大きく影響される。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う移動制限措置等の影響により、2020年の世界の人為起源の二酸化炭素排出量は、 前年に比べ減少したことがグローバル・カーボン・プロジェクト(GCP)※2で報告されているが、その減少量は大気中の二酸化炭素濃度の自然の年々変動の範囲内であり、大気中の二酸化炭素濃度の観測データからは検出できていないという。
気象庁は、「日本付近における大気中二酸化炭素濃度は引き続き増加しており、今後も監視を継続していきます」とコメントしている。
※1:二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素を観測しており、さらに2020年4月から南鳥島で、温室効果が高く近年排出量が増加傾向にある代替フロンの観測を開始した。
※2:2001年に発足した国際研究計画で、持続可能な地球社会の実現をめざす国際協働研究プラットフォーム「フューチャー・アース」のコアプロジェクト。
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