アメリカのバイデン大統領はEU首脳と6月15日会談し、脱炭素に向けた取り組みが甘い国からの輸入品に関税などをかける「国境炭素税」をめぐり、EU案について協議することで合意した。EUのフォン・デア・ライエン欧州委員長が会談後の会見で明らかにした。
バイデン大統領とフォン・デア・ライエン委員長、EUのミシェル大統領は6月15日会談し、欧州委員会が7月にも提案する国境炭素税を含む気候変動対策に関して協議した。
フォン・デア・ライエン委員長は、会談後の会見で「国境炭素税のロジックを説明し、WTOがこれを推進する可能性がある」と述べた。
EUなどは脱炭素への取り組みが甘い国からの輸入品に対して、その製品がつくられた際に排出されたCO2の量に応じて課税する「国境炭素税(炭素国境調整措置)」の導入検討を進めている。
EUなどは脱炭素の取り組みを厳しく行うが、その一方で、EU国内の企業のコストは増加しており、海外企業との国際競争力が削がれかねない状況だ。
そのため、EUは国境を超えて炭素税を課す国境炭素税の導入に前のめりだ。導入されれば、日本企業にも大きな影響が出ることは必至である。
会談では、グリーン技術の開発に向けた欧米同盟(グリーン・テクノロジー・アライアンス)に向けての取り組みも協議し、CO2排出量の多い国々に対し、削減の加速を促す外交努力においても協力すると表明した。
ただし、EUの国境炭素税は提案の草案には鉄鋼やアルミニウム、肥料など、アメリカからEUに輸出されている一部製品への適用が明記されており、協議は難航する可能性が指摘されている。
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