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格付投資情報センター、日本で本格化するトランジションファイナンスを受けて、評価体制を強化

格付投資情報センター、日本で本格化するトランジションファイナンスを受けて、評価体制を強化

EnergyShift編集部
2021年03月25日

国内最大の信用格付会社である格付投資情報センター(R&I)は2021年3月23日、企業、金融機関、地方自治体など発行体の調達する資金が環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)の課題解決に役立つことを評価するESG /SDGsファイナンス評価の強化に向けて、「ESG 推進室」を新設した。

年内にも「SDGインパクト」認証がスタート

気候変動対策や社会的課題に関する取り組みが広がり、国際資本市場協会(ICMA)の原則や国のガイドラインに適合したグリーン、ソーシャル、サステナビリティのボンド・ローンによる資金調達が活発になっている。

日本国内においても、2021年度から、温室効果ガス削減等の国際的枠組みとして 2015年12月に採択された 「パリ協定」で定められた2050年の脱炭素社会の実現に向けて、着実な低炭素化に取り組む多排出企業などへの資金供給を促す「トランジションファイナンス」の本格化が予想されている。

さらに、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の2030年達成に向けて、国連開発計画(UNDP)が目標達成効果のある投資や事業を評価する基準を策定し、基準に適合した案件を認証する「SDGインパクト」の取り組みも年内にスタートする見通しだ。

R&I、ESG評価業務を強化

R&Iは1975年に初めて公社債への格付を開始した「公社債研究会」(日本経済新聞社の社内組織)を起源とする日本で最も歴史のある国内最大の信用格付会社である。

ESGファイナンス評価では、2016年に日本の事業会社による初のグリーンボンドに「R&Iグリーンボンドアセスメント」を提供。さらに2019年には日本の事業会社による初のサステナビリティボンドに「セカンドオピニオン」を提供しており、第三者評価の先駆者としての役割を担ってきたとしている。

日本においても、ESGファイナンス市場の急速な成長、そして評価ニーズの高まりが予想される中、R&Iは今回「ESG推進室」を新設するとともに、人員を増強し、ESGファイナンスに関する評価体制を拡充。さらに、ESGに関する新しい第三者評価や情報・知見の提供などのサービスも充実させ、企業など発行体のESG経営を総合的に推進・支援していく方針だ。

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