東京ガスは2021年3月17日、横浜市立の小中学校65校へ太陽光発電設備および蓄電池を導入する「PPA事業」の実施事業者に選定されたと発表した。太陽光発電と蓄電池の合計導入量はそれぞれ約4MWと約1.3MWhとなる。
PPA(Power Purchase Agreement:電力購入契約)とは、設備設置事業者(PPA事業者)が施設に太陽光発電設備を設置し、施設側は設備で発電した電気を購入する契約のこと。屋根貸し自家消費型モデルや第三者所有モデルとも呼ばれ、施設側は設備を所有しないため、初期費用の負担や設備の維持管理をすることなく、再生可能エネルギーの電気を使用することができる。日本でも再生可能エネルギーの導入拡大に向けた手法のひとつとして、PPAへの注目が高まっている。
東京ガスと東京ガス100%出資子会社である東京ガスエンジニアリングソリューションズ(TGES)は、横浜市立の小中学校65校に太陽光発電設備(1校あたり平均約60kW)と蓄電池(1校あたり平均約20kWh)を設置し、最適運用制御、保守管理など一貫して実施する。
太陽光発電と蓄電池の合計導入量はそれぞれ約4MWと約1.3MWhとなる。
発電電力は小中学校で自家消費するとともに余剰分を蓄電池に充電し、夜間や雨天時に有効利用することで、1校あたり約2割のCO2削減、事業全体で年間1,700トンのCO2削減を見込んでいる。
停電時には太陽光発電設備と蓄電池を非常用電源として活用し、特定の照明やコンセントなどに電力供給する。
また、TGESの独自技術*1を活用し、他の横浜市内公共施設への電力自己託送*2を全国初の取り組み*3として実施し、学校で発電した再エネ電気の「100%地産地消」を目指すという。
東京ガスグループは、経営ビジョン「Compass2030」において、東京ガスグループの事業活動全体での「CO2ネット・ゼロ」および「価値共創のエコシステム構築」を掲げている。
東京ガスは、「今回の事業を通じて横浜市の温暖化対策実行計画「Zero Carbon Yokohama」の実現に貢献するとともに、さまざまなパートナーと協業しながら、今後も太陽光発電や蓄電池などの分散型エネルギーリソースを活用したビジネスを推進してまいります」とコメントしている。
*1:エネルギーサービス設備遠隔管理システムである「ヘリオネットアドバンス」を活用し、各太陽光発電設備の発電量と各施設の電力需要を予測し、予測結果に基づき、全自動での自己託送オペレーションを実現するもの。
*2:電力会社の送配電網を使用して、自らが発電した電気を、別の場所に立地する自施設に送電する制度。
*3:公共施設に設置した太陽光発電設備による再エネを、自己託送を活用して地産地消する取り組みは、全国初になる。
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