エプソンが世界15の国や地域で、気候変動に関する意識調査 「気候変動危機を感じているが、まだ行動には現れていない」 | EnergyShift

脱炭素を面白く

EnergyShift(エナジーシフト)
EnergyShift(エナジーシフト)

エプソンが世界15の国や地域で、気候変動に関する意識調査 「気候変動危機を感じているが、まだ行動には現れていない」

エプソンが世界15の国や地域で、気候変動に関する意識調査 「気候変動危機を感じているが、まだ行動には現れていない」

2021年09月15日

セイコーエプソン株式会社は、11月1日から英国グラスゴーで行われる「第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(以下COP26)」の開催を50日後に控え、人々の気候変動に対する独自の意識調査 "Climate Reality Barometer" をインターネットで実施した。

アジア、ヨーロッパ、アメリカなど、15の国や地域を対象とした15,264人の消費者の回答から、「気候変動の実態およびそれによって起こりえる地球環境への影響」と、人々の認識には、ギャップがあることがわかった。

気候変動の影響を楽観視する人が約半数

「あなたが生きている間に、気候変動による自然災害を避けられると思いますか?」という質問に対して、回答者の半数近く(46%)が「"非常に"または"やや"楽観的」であり、避けられると思うと答えた。これは、「"非常に"または"やや"悲観的」である、という回答(27%)を大幅に上回る。

楽観的な考えを後押ししている主な理由は「気候変動に対する人々の認識の高まり(33%)」、「科学技術を利用した問題解決(28%)」、「再生可能エネルギーへの移行(19%)」になる。

回答者の5%近くは気候危機が起こるとは全く考えておらず、特に米国(11%)、ドイツ(7%)、英国(6%)で、そう考える回答者の比率が高いという結果がでた。

一方で、日本では悲観的(47%)、楽観的(25%)と、リスクを感じている人が調査した国や地域の中で最も多く、その理由として「人々が気候変動の危険性を認識していない(37%)」や「科学技術の利用では問題を解決できない(27%)」というスコアが、他の国や地域より高い結果となった。

しかしながら、近年でも、2021年7月は世界的にこれまでに記録された最も暑い月となり、ヨーロッパ・北アメリカ・アジアで発生した山火事、中国・コロンビア・ドイツの深刻な洪水など、世界中で数多くの気候変動による災害が発生している。

エプソンヨーロッパの役員でサステナビリティ責任者であるヘニング オルセン氏は、「気候危機が目の前で起こる中でも、多くの人々がそれを認識していない、むしろ否定している、という事態が懸念されています。この調査結果は、COP26において2030年に向けたCO2削減目標を決定し、気候変動の緩和のために必要な行動を起こすために、政府・企業・個人を含むすべての人々の協力を呼び掛ける警鐘です」と述べている。

気候変動に対し、行動を起こす必要性は感じていても、行動には至っていない人も多い

「人々が楽観的なのは、気候変動に起因する現象や影響範囲を十分に認識できていない」という可能性を示唆している。

回答者の約4分の3は、気候変動と、気温の上昇(77%)、異常気象(74%)、山火事(73%)との関連性を認識していた。対照的に、飢餓(57%)、大規模な人口移動(55%)、虫の急激な増加(51%)などの現象については、気候変動との関連性を認識している回答者は約半分。

この設問に関しては大きな地域差があり、気候変動と飢餓の関連性を認識している人の割合は台湾で最も高く(72%)、米国で最も低い(44%)という結果だった。

日本では、異常気象(69%)や山火事(55%)等のスコアをはじめ、全体よりも関連性の認知は低い結果となった。

「誰に責任があるというわけではなく、みんなが行動を起こさないと意味がない」は日本で4割

約半数が、政府や企業にこの気候変動の緊急事態に取り組む責任があると回答している。調査によれば、(27%)の人が政府、(18%)の人は企業に「最も責任がある」としている。

個人に責任があると考えているのは(18%)、特にインドネシアが最も高く(30%)、中国とドイツでは最も低い(11%)という結果になっている。

最も多かったのは、「誰に責任があるというわけではなく、みんなが行動を起こさないと意味がない(31%)」、特に日本では(40%)という結果だった。

ライフスタイルを変えてもいいが、まだしていない

気候変動の危機に立ち向かうため、ライフスタイルを変えることをいとわないものの、日本を含む調査した全ての国や地域において、まだ行動に至っていない人もいる。

「再生可能エネルギーに切り替えることに賛成する人(実行しているまたは計画している)」は(78%)だが、すでに実行しているのは(29%)、「よりサステナブルな製品に切り替えること」は(82%)が賛成だが、すでに実行しているのは(45%)。

「植物性中心の食生活をすること」に賛成しているのは(58%)、実行しているのは(27%)。

「サステナブルではないブランドを買わない」といった比較的シンプルな選択肢でも、(63%)は賛成だが実際に買い物の習慣を変えた人は(29%)にとどまる結果になった。

また、「気候変動への取り組みは大企業に最も責任がある」と認識しているのは(15%)、「中小企業に最も責任がある」と認識しているのはわずか(3%)だった。

調査概要と回答者の属性

調査期間:2021年8月6日~8月11日

調査方法:インターネット調査(それぞれの国・地域に適した言語で実施)

調査対象:世界15の国・地域に住む16歳以上の人

【北米・南米】アメリカ、ブラジル

【欧州】イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン

【アジア・オセアニア】オーストラリア、中国、インド、インドネシア、シンガポール、日本、韓国、台湾

調査人数:15,264人

【内訳】

COP26開催地のイギリス=2,000人

人口3,000万人未満のオーストラリア・シンガポール・台湾=500人

その他の各国=1,000人で調査対象者数を設定

EnergyShift編集部
EnergyShift編集部

EnergyShift編集部

ニュースの最新記事