2030年46%減達成には再エネ比率37%が必要 まだ400億kWhの再エネが足りない 経産省 | EnergyShift

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2030年46%減達成には再エネ比率37%が必要 まだ400億kWhの再エネが足りない 経産省

2030年46%減達成には再エネ比率37%が必要 まだ400億kWhの再エネが足りない 経産省

エネルギー基本計画の改定議論が佳境を迎えるなか、7月13日の経済産業省の審議会で、再生可能エネルギーをさらに400億kWh上積みし、再エネ比率を37%に引き上げなければ、2030年度温室効果ガス46%削減の達成は困難だとする試算が示された。400億kWhをどうやって積み増すのか。経産省は難しい対応を迫られている。

エネルギー基本計画で原子力をどう位置づけるのか

7月13日に開催された総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会(第45回)において、現在の施策のままなら、2030年の電源構成比は再エネ比率33%、原子力20〜22%、水素・アンモニア1%、残り40%程度が火力発電になるという電源ミックス像が示された。

さらに前日の12日に経産省が公表した、2030年時点の太陽光発電の発電コストが原子力のコストよりも下がり、電源別でもっとも安くなるとの試算に関する議論もおこなわれた。

まず2030年の電源ミックスについては、経産省は今月6日、太陽光発電を中心に200〜300億kWh上積みし、再エネ発電電力量を2,903億kWhから3,120億kWhに増やすという新たな目標数値を示していた。2030年度の再エネ比率は33%にまで上昇するが、46%目標達成には不十分だとする声があがっていた。

あと9年しかない時間軸のなかで、どれだけ再エネを上積みすることができるのか。さらに原子力20〜22%は本当に達成可能なのか。

出席した委員からは「(新規制基準の)審査中である11基含めて27基を設備利用率80%で動かして、ようやく20%になる。実現はかなり厳しいのではないか」。あるいは「原子力は社会的受容性が極めて低い。何かスキャンダルが起これば全国の原子力が止まりかねない」という意見が出た。

また別の委員は、「IEA(国際エネルギー機関)が2021年3月に出した日本のエネルギー政策レビューという報告書の中で、日本政府は原子力の再稼働が遅れた場合、最終的な発電ギャップを埋めるシナリオを策定する必要があると指摘している。20%という数字は決して安心できる数字ではなく、未達リスクを踏まえ、省エネの推進や再エネのさらなる上積みを検討すべきだ」と指摘した。

一方、別の委員は「27基まで再稼働が進まないという意見があったが、福島原発事故のあと、最初に再稼働したのが2015年9月だ。それから6年の間に10基動いた。1年に1.7基再稼働している計算だ。2030年までの9年間に17基再稼働することは決して無理な話ではない」と反論。

さらに「一部のマスコミが、太陽光発電がもっとも安価な電源であると報道したが、天候による発電量の変動が大きく、実際にはバックアップなどのコストが必要となる。そうした費用を換算すると、依然として原子力がもっとも安い電源だ」と述べた。
2030年の発電コストに関しては、複数の委員からバックアップ費用などを換算せずに、太陽光発電が最安電源になるという報道に対し、「ミスリードだ」と指摘された。

こうしたなか、ある委員は「これ以上の原子力の上積みは困難だ。2030年度46%削減達成には、やはり再エネのさらなる上積みが欠かせない。再エネ発電電力量が年間3,500億kWh程度になってようやく46%減に近づく」と指摘した。

46%減には再エネがまだ400億kWh足りない計算だ。実現には住宅や建物などへの太陽光発電の搭載や、耕作放棄地の利用拡大、さらに風力や地熱の導入拡大など、環境省や国交省、農林水産省など他の省庁との強い連携が必要となる。

経産省はどうやって400億kWhの再エネを増やすのか。また原子力をエネルギー基本計画のなかでどのように位置づけるのか。いずれも難しい対応を迫られているが、基本計画の素案は7月中にも提示される見込みである。

EnergyShift編集部
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