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脱炭素の鍵握る洋上風力発電 日本の下剋上が始まる

2021年11月29日

日本の洋上風力のポテンシャルを引き出すためには

洋上風力のポテンシャルは、1にその発電量、そして開発競争に勝った際の経済波及効果になる。

開発競争と導入は電力業界の雇用にも絡んでくる。洋上風力の部品量は1〜2万点、さらに港湾の整備やO&Mなどの雇用も生む。部品メーカー、風車メーカー、建設業者はそれぞれ導入増による事業拡大を見込んでいる。

波及効果は非常に大きく、仮に世界でも競争力がもてるセクターに育った場合は、日本経済にとって非常に大きなプラスになるだろう。

日本の洋上風力は、導入ポテンシャルは相当なものである一方、これまで日本の開発は後れを取って来た。だが、さすがに今回、政府も本腰を入れている。法的処理の問題は再エネ海域利用法で、漁業を含む地域理解は日本型セントラル方式で解決を見出そうとしており、他に技術への投資などが課題だったが、外資の協力も取り付けながら、それぞれ一定の解決を見出している状況だ。もちろん、一度、外資がドッと入ってくる格好になるかもしれないが、そこは臥薪嘗胆の世界かと思われる。

その上で、まずは、2030年、洋上風力10GW導入を目指すという目標が、どこまでしっかり具現化できるかが注目される。その上で2040年にさらに加速させ、2050年のカーボンニュートラル実現につなげていく、という絵図はとりあえず見えている。

ポテンシャルはある。あとは、どう引き出すかだ。ぜひとも突き抜けてほしい。

日テレ24の取材でも述べたように、日本が洋上風力のポテンシャルを引き出すことができたら、海が油田であるような位置づけになってくる。

その夢を、ぜひ見たいし、筆者自身、実現に向けて貢献していきたいと思う。

今回はこの一言でまとめたい。
『日本の洋上風力には夢しかない』

前田雄大
前田雄大

YouTubeチャンネルはこちら→ https://www.youtube.com/channel/UCpRy1jSzRpfPuW3-50SxQIg 講演・出演依頼はこちら→ https://energy-shift.com/contact 2007年外務省入省。入省後、開発協力、原子力、官房業務等を経験した後、2017年から2019年までの間に気候変動を担当し、G20大阪サミットにおける気候変動部分の首脳宣言の起草、各国調整を担い、宣言の採択に大きく貢献。また、パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略をはじめとする各種国家戦略の調整も担当。 こうした外交の現場を通じ、国際的な気候変動・エネルギーに関するダイナミズムを実感するとともに、日本がその潮流に置いていかれるのではないかとの危機感から、自らの手で日本のエネルギーシフトを実現すべく、afterFIT社へ入社。また、日本経済研究センターと日本経済新聞社が共同で立ち上げた中堅・若手世代による政策提言機関である富士山会合ヤング・フォーラムのフェローとしても現在活動中。 プライベートでは、アメリカ留学時代にはアメリカを深く知るべく米国50州すべてを踏破する行動派。座右の銘は「おもしろくこともなき世をおもしろく」。週末は群馬県の自宅(ルーフトップはもちろん太陽光)で有機栽培に勤しんでいる自然派でもある。学生時代は東京大学warriorsのディフェンスラインマンとして甲子園ボウル出場を目指して日々邁進。その時は夢叶わずも、いまは、afterFITから日本社会を下支えるべく邁進し、今度こそ渾身のタッチダウンを決めると意気込んでいる。

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