2021年1月に起こった電力卸売価格の高騰で、経営に行き詰まる新電力が続出するなか、新電力のLooopやみんな電力などの5社は7月1日、再生可能エネルギーの普及や健全な競争環境の整備を目指して、新たな業界団体「一般社団法人再エネ推進新電力協議会(Renewable Energy Accelerating Providers association:REAP)」を設立した。今後、規制緩和や政策提言などを行なっていく。
この冬の電力卸価格の高騰で新電力の経営環境は悪化しており、今年3月には新電力大手のF-Powerが464億円の負債を抱えて、会社更生法の適用を受けた。F-Power以外にも経営に行き詰まる新電力は多数にのぼっている。
新電力の事業リスクが高まるなか、再エネを中心とした電力メニューを提供するLooopやみんな電力、グリーンピープルズパワー、自然電力、地球クラブの5社は再エネの普及拡大や競争環境の是正などを目指して、新たな業界団体「再エネ推進新電力協議会」を設立した。協議会には、新電力32社と1団体が参加した。
2016年4月の電力小売全面自由化を機に、さまざまな業界からの参入があとを絶たず、新電力の数は700社を超えている。シェアも拡大し、2020年9月時点で全販売電力量の約20%を占めた。その一方で、新電力の財務基盤は大手電力会社に比べてまだまだ弱い。
経済産業省では今年の夏と来年冬も、電力需給がひっ迫する恐れがあるとして、大手電力会社などへ火力発電所の補修時期をずらすなどの対応を要請する。7月1日には新電力が足りなくなった電力を大手電力会社から追加で調達する際に支払うペナルティ料金を最大200円/kWhとする省令を施行した。
ふたたび需給がひっ迫すれば、新電力の淘汰は避けられない。そのため協議会では、電力事業をめぐる制度や電力小売事業に関する知識の共有化をはじめ、再エネの普及拡大、さらに健全な競争環境の整備に向けて、政策提言などを行なっていく方針だ。
なお、協議会の目的は次の3つ。
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