1月11日、大成建設は、三菱電機と共同で開発した建物内のマイクロ波・ワイヤレス給電システムの実証実験開始を発表した。
スマートシティやZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の実現には、各種センサーやモバイル機器を大量に設置する必要がある。それらの機器へのワイヤレス給電・バッテリーレス化は近い将来求められるであろう技術のひとつだ。
今回開発されたワイヤレス給電システム「T-iPower Beam」は、建物内で稼働する自動ロボットからマイクロ波を発して、最大25Wの電力を送信し、センサやモバイル機器などにワイヤレスで給電することができるもの。
マイクロ波による給電は、送電時にマイクロ波が拡散してしまうことが課題だったが、T-iPower Beamは指向性の高いビームを形成できる5.7GHz帯を使用し、ビームの制御が可能なマイクロ波ワイヤレス送電装置を用いることでマイクロ波の拡散低減を実現した。
また、電波拡散を抑制する建材一体型受電装置により電波の漏洩も防止する。
実証実験は大成建設の技術センターで2022年2月まで行われる予定。建物内の周辺機器への影響の可能性や建物外への電波漏えい状況と建物内外での電波強度の削減状況を確認する。
実用化の時期は未定だが、今回の実験で運用効果や安全性の実証を進め、社会実装に向けて取り組むという。
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