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英国でゼロカーボン発電所計画、脱炭素火力発電所を実装

英国でゼロカーボン発電所計画、脱炭素火力発電所を実装

2021年06月24日

2021年6月23日、英国の低炭素エネルギープロジェクトであるHyNet North Westと、独立発電事業者のInterGenは、ゼロカーボン発電所の計画を発表した。場所はリバプール市にあるInterGenのロックサベージ発電所で、2020年代に運開する予定。

建設される火力発電所は水素を燃料とするもので、年間15万トン以上のCO2を削減できるとしている。計画では、現在の火力発電所を、水素に対応できるように改修し、当初は水素と天然ガスの混焼から始めることになる。その後、水素ガスタービンの実用化に合わせて、ゼロカーボン発電所を建設することになる。

HyNet North WestはCCS(CO2回収貯留)によって、化石燃料から水素を製造するプロジェクトを進めており、発電のみならず、産業や家庭の暖房、輸送に使われている化石燃料を水素に置き換え、早ければ2025年には英国北西部および北ウェールズ地域の脱炭素化を開始するとしている。

また、ロックサベージ発電所でゼロカーボンに相当する水素を供給できるのは、2028年になると予想している。

InterGenのロックサベージ発電所の所長である、Dan Fosberg氏は、「ロックサベージ発電所は25年間にわたってエネルギーを安全に供給してきました。しかし英国のネットゼロ目標の達成には従来の発電方式では対応できません。HyNet North Westは低炭素社会への移行に合わせて、当社の事業の軸足を変えることを可能にしてくれます。水素ネットワークへの近接は、私たちにエキサイティングでユニークな機会を与えてくれます」と語っている。

リバプール市は2040年までにゼロカーボンを達成する目標を掲げている。リバプール市のSteve Rotheram市長は、「リバプール市をグリーン産業革命の中心に据えることは、私の最優先事項の1つです。グリーンエネルギーの分野で強みを持っており、英国の再生可能エネルギー地帯となる可能性があります。私はリバプール市でのグリーン雇用を2倍にすることを約束します。このようなエキサイティングなプロジェクトは、そのための重要な役割を果たすでしょう」と述べている。

HyNet North WestのプロジェクトディレクターであるDavid Parkin氏は、「この地域のCO2排出量を5年間で25%削減します。また、クリーンな経済の確立、熟練した雇用の保護、何千もの新しい長期的な雇用の創出により、この地域が投資や企業の成長にとって魅力的な土地であることを保証します」と述べている。

なお、HyNet North Westはプロジェクト全体を通じて、CCSと水素の供給によって、2030年までに毎年1,000万トンのCO2を削減する可能性があるとしている。

EnergyShift編集部
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