フィデリティ投信株式会社は、サステナブル投資、ESG投資に関する意識調査結果を発表した。男女約2,000人を対象に今年1月に実施された調査で、このコロナ禍の影響により48%の人が、この危機によって地球規模の問題についてより深く考えるようになったと回答した。
一方、ESG投資については、その意味を知っている人は全体の約14%で、一般的にはまだ浸透していないことが明らかになった。
また、36%の人がコロナウイルスをきっかけに、今後、より良い世界を築くために貢献したいと回答。
日本人のほぼ5人に2人(38%)が、より積極的に変化を起こしたいと考え、尚且つ約3人に1人(35%)が、サステナブルな投資や貯蓄をしたいと考えていることもわかった。
サステナブルな投資に関しては、全体の約半数が、自身の財務状況を見直すと回答しており、自分がどこで誰とお金を使っているかの見直しに始まり、サステナブルな投資に関する財務アドバイスを受けることや、ESG投資ができる方法をリサーチする、等々の前向きな姿勢が見られた。
(画像:フィデリティ投信)
一般的な認知度が全体では14%と低い傾向にあったESG投資については、知っていると答えた男性は全体の17%、女性は10%。なんらかの投資を行っている投資家の中でも、持続可能な投資を始める方法を知っている人は男性投資家が35%なのに対し、女性は24%と少ない傾向で、さらに、ESGファンドに投資するという選択を知っているとした人も男性は22%、女性は14%という結果となった。
(画像:フィデリティ投信)
また、投資家のうち37%は、資金を動かすことで企業の行動を変えることができると考えており、23%はサステナブル投資がポジティブな変化を起こすための頼みの綱であると述べている。
そして、日本の金融商品の保有者の4人に1人は、ESGを重視しない企業は衰退していくと考えていることが判った。
フィデリティ投信のヘッド・オブ・エンゲージメント兼ポートフォリオ・マネージャーの井川智洋氏は、この調査を受け、「コロナ禍に見舞われ多くの人が日常生活に直接の影響を受けたことで、社会の持続可能性について考える機会が増えました。一方こうした人たちがどんな形で社会に貢献できるのか十分な知識を持っていないことも明らかとなり、 このギャップを埋めていくことは当社の役割の一つであると考えますので、今後重点的に取り組んでいきたいと思います」と述べている。
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