島津製作所は2021年3月24日、持続可能な社会の実現に貢献するため、国際的な環境イニシアティブである「RE100」に加盟し、国内外の島津グループで2050年までに事業活動で使用するすべての電力を再生可能エネルギー100%とすることを宣言した。
世界の分析計測機器業界で「RE100」に加盟するのは、同社が初めてだという。
島津製作所では、2050年100%再エネ転換に向けて、2019年度時点で7.5%だった再エネ比率を、2030年度に85%、2040年度に90%とする中間目標を掲げ、電力の再エネ化を図っていく。
宣言にあたり、同社の国内グループの工場、研究所などの主要な拠点については、2021年度から再生可能エネルギー100%由来の電力を導入する予定だ。
RE100とは、国際NGOであるThe Climate GroupがCDPとのパートナーシップにより運営する国際イニシアティブである。使用電力のすべてを再エネにすることを約束した世界で影響力のある企業が加盟している。RE100の総収入は6兆6千億ドルを超え、さまざまな分野で活動を展開し、クリーンエネルギー経済への移行を加速するための強力なシグナルを政策立案者や投資家に送っている。
日本においてもRE100加盟企業は増加しており、2021年2月には50社に達し、アメリカに次ぎ世界で2番目となっている。島津製作所は51社目の加盟となった。
島津製作所では、事業活動におけるCO2排出量を削減するため、省エネルギー施策の実施や再エネ利用を促進する投資などを行ってきた。
省エネへの取り組みでは、電力使用量が多い工場や事業所を中心に、省エネ診断を実施。またスマートメーターを活用し、建物や機器の1時間毎の使用電力量を把握することで、設備や運用におけるムダや課題を抽出、改善を図っている。
再エネ利用に関しては、京都の本社・三条工場、紫野工場などに加え、海外ではマレーシアやフィリピンなどのグループ会社に太陽光発電パネルを設置し、自社で電力利用をしている。ドイツや英国のグループ会社では再エネ100%由来の電力契約へ切替え済みだ。
今後も国内外の各事業所で再生可能エネルギー由来の電力調達を加速させていくという。
島津製作所は、「社是「科学技術で社会に貢献する」、経営理念「人と地球の健康への願いを実現する」を掲げ、世界のパートナーと社会課題解決のための仕組みづくりと社会実装に取り組んでいます。さまざまな面から環境対応策に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献していきます」とコメントしている。
島津製作所:国際環境イニシアティブ「RE100」に加盟 「使用電力のすべてを再生可能エネルギーにする」を目指します
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