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グリーン電力証書

グリーン電力証書とは?非化石証書との違いは?

2022年04月11日

「環境価値」が高い電気を企業の間で取引できる制度として、「グリーン電力証書」「J-クレジット」「非化石証書」の3種類があります。前回のサステナブルガイドでは、このうちの「非化石証書」を紹介しました。今回は「グリーン電力証書」について解説します。

グリーン電力証書とは?非化石証書との違いは?

グリーン電力証書とは、再生可能エネルギー(再エネ)により発電された電力(グリーン電力)の「環境価値」を証書化したものです。これは企業などの大規模消費者に向けたもので、2001年に始まりました。グリーン電力証書制度でグリーン電力と認められる発電方法は、太陽光・風力・水力・地熱・バイオエネルギーの5種類になります。証書のうち9割以上をバイオエネルギー発電が占めています。

グリーン電力は、「電気そのものとしての価値」に加え、CO2排出削減といった付加価値をもっており、これは「環境価値」と呼ばれています。企業や自治体はグリーン電力証書を購入することで、使用している電力を再エネから発電された電力と見なすことができ、CO2排出削減に貢献することが可能となります(図1)。その資金はグリーン電力発電事業者に提供され、グリーン電力の普及拡大を支援するものとして活用されます。

図1:グリーン電力証書の考え方

グリーン電力証書の考え方
*グリーンエネルギー利用拡大小委員会 経済産業省資料より

ここで前回紹介した「非化石証書」との違いを簡単に説明します。非化石証書は再エネを含めた非化石電源によって発電された電力が持つ、非化石価値を証書化したもののことです。グリーン電力証書と同様、再エネ由来の証書ですが、再エネではない原子力発電も非化石電源に含まれます。一方、グリーン電力証書は、再エネ100%の証書です。

また、グリーン電力証書と非化石証書の違いは、証書の直接購入者が異なります。非化石証書は非化石取引市場で入札して購入しますが、グリーン電力証書は発行事業者から購入します。グリーン電力証書の購入方法については後ほど説明することにします。

購入するとどんなメリットがあるの?

企業は発電設備を持っていなくてもグリーン電力証書を発行することで、証書に記載された電力量を(換算係数を用いて)CO2削減量に換算できるため、自主的な地球環境対策に活用できます。

また、グリーン電力を使用したことを証明する「グリーン・エネルギー・マーク」が提供され、それをパンフレットや製品などに貼付することで地球環境貢献を対外的にPRすることが可能です(図2)。

図2:グリーン電力証書のブランドマーク例

グリーン電力証書のブランドマーク例
*日本自然エネルギー

グリーン・エネルギー・マークは、グリーン電力の普及拡大を図るため、2008年5月に制定されました。消費者はこのマークのついた商品を選択することで、グリーン電力の普及拡大に貢献する事ができます。

また、グリーン電力証書は再エネの使用量としてRE100や日経環境経営度調査等の報告書作成に活用することができます。RE100とは、事業活動で使用する電力を遅くとも2050年までに100%再エネに切り替えることを宣言する国際的なイニシアチブで、発電設備を特定できる電力を購入するように推奨しています。

グリーン電力証書は発電設備を選んで購入できるため、国際イニシアティブへの報告に利用する対象として認められています。

このようにグリーン電力証書は再エネ利用の証明のために有効な手段の一つとして活用できるため、企業イメージの向上へ繋げるというメリットをもたらします。

グリーン電力証書の購入方法や価格は?

グリーン電力証書は第三者機関(一般財団法人日本品質保証機構)の認証を得て、グリーン電力証書発行事業者が発行しています。グリーン電力証書とJ-クレジットはいかなる企業・団体でも直接購入が可能です。企業・団体は証書発行事業者から購入することができます。2022年2月8日時点において、日本品質保証機構と契約を締結している証書発行事業者(申請者)は、グリーン電力が40事業者、グリーン熱が2事業者です。なお、FIT制度の適用を受けている発電設備は、グリーン電力証書の対象になっていません。

グリーン電力証書の年間の発行量はJ-クレジットや非化石証書と比較して最も少ない状況にあります。価格はJ-クレジット(再エネ由来)が最も安く、グリーン電力証書が最も高い水準にあります。

一方、価格が発行事業者により異なるため、価格は業者に問い合わせる必要があります。環境省によると、グリーン電力証書は、環境省の事業者ヒアリングによれば2~7円/kWh程度と言われています。一般的に証書の購入量が多いほど価格は安価になる傾向があります。

まとめ

「グリーン電力証書」は、「J-クレジット」や「非化石証書」と並び、広く浸透し始めています。本格的な脱炭素時代を迎える中、証書の購入を通じて再生エネの導入拡大に貢献できます。消費する電力量と釣り合う証書を購入することで再エネ100%電力調達の条件を満たせる制度なので、必要な電力量分を購入すれば、国際的なアピールにも使えます。今後ますます「グリーン電力証書」による環境価値の取引に注目が集まりそうです。

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EnergyShift編集部
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