日本ではカーボンニュートラルな発電所として、水素やアンモニアを燃料とした火力発電所の開発が期待されている。先ごろ発表された第6次エネルギー基本計画の素案では、2030年には電源の1%を担うとされている。
一方、米国では水素を燃料とした火力発電所の建設が進んでいる。
2021年7月29日、米国テキサス州の電力会社、Entergy Texasはテキサス州南東部の電力需要増に対応するため、水素と天然ガスの両方を燃料として使用できる121.5万kWの火力発電所の建設について認可取得の作業を開始した。水素を燃料とした場合は、ゼロエミッションの発電所として運転されることになる。
発電所の名称は、オレンジカウンティアドバンスト発電所で、その名の通り先進的な発電所となる。建設によって7,000人以上の雇用と18億ドルの地域経済効果がもたらされると見込まれている。
発電用の水素は天然ガスの貯蔵施設と同じ場所に設置され、再生可能エネルギーの発電が不足する時間帯などで必要に応じて運転される予定。
Entergy Texasの社長兼CEOのSallie Rainer氏は、「テキサス州南東部は、発電における水素利用の増加にあたって重要な役割を果たすのに適した位置にあります。私たちの地域には、水素生産者、パイプライン、貯蔵、および需要家となる産業が立地しています。オレンジカウンティアドバンスト発電所が信頼できる電力を供給すると同時に、お客様やコミュニティの持続可能性のニーズを満たし、水素の生産と消費のグローバルハブとして南東テキサスを確立していく役割について、業界のパートナーと協力していくことを楽しみにしています」と述べている。
今後数ヶ月以内に、Entergy Texasは、テキサス州公益事業委員会に発電所建設のための承認申請を提出する予定。承認された場合、2023年の第2四半期に建設が開始され、2026年夏までに運開する予定。
ニュースの最新記事