国際エネルギー機関(IEA)は12月1日、毎年発行している再生可能エネルギー市場レポートの最新版「Renewables 2021」を発表した。
レポートよると、2021年に新設された再エネ設備の出力は290GWに達し、2020年に記録した過去最高値を上回る見通し。2021年から2026年までの5年間における世界の再エネ設備出力の累計は、2020年比で60%以上増加し、現在の化石燃料と原子力を合わせた総出力に相当する4,800GWを超える見込みだ。
2021年から2026年の間に増加する再エネ出力は、2015年から2020年と比較して50%増加すると予想。国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の開催に伴い再エネへの移行促進が背景にあるという。
再エネの中でも、太陽光発電は引き続き成長率をけん引し、2021年の発電容量は17%増の約160GWとなり、過去最高を更新すると予測されている。また、同時期の洋上風力発電の総出力は、2026年までに3倍以上になる見込みだ(図)。
図:再生可能エネルギーによる発電量の割合
出所:Renewables 2021 Analysis and forecast to 2026, Copyright IEA
IEAの報告書では、一次産品や輸送価格が2022年末まで高止まりした場合、風力発電の投資コストは2015年のレベルに戻り、太陽光発電の3年間のコスト削減効果も消えてしまうと懸念している。
2021年の世界のバイオ燃料需要は、新型コロナウイルスの影響で大幅に減少した2020年から回復し、2019年の水準を上回ると予測される。バイオ燃料の需要は2026年まで大きく伸び、アジアが新規生産量の約30%を占める見通しだ。特にインドは、米国、ブラジルに次ぐ世界第3位のエタノール市場に成長すると予想。
一方、2050年ネットゼロ・エミッションを実現する必要量にまだ達しておらず、2021年から2026年の5年間で再エネ設備出力を現シナリオの約2倍に増やす必要があると指摘する。
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