ユニリーバが10億ユーロを製品製造過程でのカーボンフリーに投資 クリーニング製品からカーボンを取り除き、クリーンにする計画を発表。 | EnergyShift編集部

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ユニリーバが10億ユーロを製品製造過程でのカーボンフリーに投資 クリーニング製品からカーボンを取り除き、クリーンにする計画を発表。

ユニリーバが10億ユーロを製品製造過程でのカーボンフリーに投資 クリーニング製品からカーボンを取り除き、クリーンにする計画を発表。

EnergyShift編集部
2020/09/04
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2020/09/04
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世界最大の一般消費財メーカーであるユニリーバは2020年9月2日(現地時間)、新たな「クリーン・フューチャー」プログラムを発表した。10億ユーロ(1,250億円)がこのプログラムに投資される。

製品の化学物質製造からカーボンを排除

今回のプログラムは、ユニリーバの中核商材であるクリーニング、ランドリー製品に使われている化学物質のカーボンを、石油由来から脱却するというものだ。投資額は10億ユーロ(約1,250億円)。

化石燃料を使わずに製品の化学物質を製造すること自体は数十年前から可能だったが、コストが大きな問題だったという。現在、原油は各種の化学反応を経てクリーニング製品の原料になる。例えば、炭酸ナトリウム、界面活性剤、各種のポリマーなどだ。

この化学物質は、製品のライフサイクル全体のCO2排出量のうち46%と、非常に大きな割合を占めていた。今回の取り組みで、このCO2排出量を最大20%削減できるとしている。

今回のプログラムはこうしたバイオテクノロジー研究、低炭素科学だけでなく、生分解性と水利用効率の高い製造手法の開発、バージンプラスチックの使用量の50%削減等にも使われる。

既にユニリーバでは製造方法の変更に一部着手している。例としてスロバキアにおいて、バイオテクノロジーが専門のエボニック インダストリーズと提携し、再生可能で生分解性のある界面活性剤「ラムノリピッド」を製造、チリとベトナムで食器用洗剤に使用されている。

南インドでは新しいCO2回収技術を使ってつくられた洗濯用パウダーの原料である炭酸ナトリウム(ソーダ灰)を調達している。ほかの製造工程で使用するエネルギーのCO2を利用して炭酸ナトリウムはつくられているという。今回のプログラムでこれらの技術は拡大されるとしている。

カーボン・レインボー

今回のフューチャープログラムは同時に発表された「カーボン・レインボー」という独自の考えに基づいている。製品製造に使用されるカーボンをどのように変更していくかのアプローチになる。

つまり、現在の石油由来である「黒い」カーボンから、紫の「回収されたCO2」、緑色の「植物や生物由来の炭素」、青色の「藻類など海洋由来」、灰色の「廃棄物から回収された炭素」等にそれぞれ代替していくというものだ。

これらの再生可能な炭素源は、有用な原料に加工されてクリーニング製品製造に使われている。消費者が使った後もプラスチックは生分解されてリサイクルされ、新しい製品のためのカーボンになる。このことで「カーボン・レインボー・サイクル」が完成するという。

この一連の過程はすべて再生可能エネルギーが用いられる。

2039年までに事業すべてにおいて、ネットゼロに

ユニリーバのホームケア部門プレジデントであるピーター・テル・クルヴェは、「クリーン・フューチャーは、私たちのビジネスを抜本的に見直すためのビジョンです。業界として、製品の原料を含む化石燃料への依存を断ち切らなければなりません。十分な炭素が地中や地上にあるときに、地中から化石燃料を汲み上げることを止めなければなりません」と述べている。

ユニリーバは2039年までに全製品のサイクルからのCO2排出量をゼロにするとしており、今回のプログラムもその一環になる。

今年6月に発表された「気候と自然基金」設立の10億ユーロも話題になったが、今回の「フューチャー・プログラム」はそれとは別の、新しいプログラムだ。

非営利団体CDPは、ユニリーバを気候変動への対応力において同業他社よりも上位にランクインしている。

参照
Unilever:Clean Home. Clean Planet. Clean Future.
Unilever:Unilever to eliminate fossil fuels in cleaning products by 2030 02/09/2020

(Text:小森岳史)

 


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