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丸紅が英国大手再エネ企業と、浮体式洋上風力応札へ -浮体式風力をめぐる長期的競争が激化

丸紅が英国大手再エネ企業と、浮体式洋上風力応札へ -浮体式風力をめぐる長期的競争が激化

丸紅、英国再生可能エネルギー大手のSSE Renewables、およびデンマークの資産管理会社であるCopenhagen Infrastructure Partners(CIP)の3社によるパートナーシップは、スコットランド海域で約10GWの洋上風力発電の将来の開発を可能にする可能性のあるCrown Estate Scotlandによって管理されているScotWind海底リースプロセスの共同申請の準備を進めてきたが、報道によると、2021年7月16日の締め切りを前に、入札することを決めたという。

SSE Renewables-Marubeni-CIP Partnershipは、スコットランドにおける将来の洋上風力発電スキルの開発をサポートするための共同事業体だ。このうちSSE Renewablesは、英国6大電力会社の1つSSEの再エネ専門の子会社だ。SSEは小売部門を新電力のOVO Energyに売却し、発電事業に集中した事業展開を行っている。また、SSE Renewables自身、すでにスコットランドで最大の洋上風力発電の案件を持っている。一方、丸紅は日本での洋上風力実証プロジェクトをはじめ、秋田県沖での洋上風力の計画も進めている。さらに、CIPはエジンバラにグローバルな洋上風力コンピテンスセンターを持ち、大陸全体に洋上風力を提供した豊富な経験を持っている。特に丸紅においては、将来の日本における浮体式洋上風力の事業展開にむけた技術や経験の蓄積という目的もあるだろう。

締め切りに先立つ7月13日には、SSE Renewables-Marubeni-CIP Partnershipは英国スコットランドにある大学との間で覚書(MOU)を締結した。3社は今回のMOUを通じて、このグローバルな専門知識を活用して、スコットランドの学生がデンマークと日本の大学との交換プログラムを実施する機会を創出し、洋上風力関連の国際学習にユニークな機会を提供する新しいアイデアとスキルの共有と開発を行うという。特に、今回のプログラムでは、入札した海域での設置が見込まれる浮体式洋上風力に関する技術開発を含むカリキュラムとなっているという。

現在、洋上風力発電の主流は着床式となっており、浮体式風力発電の開発は進んでいない。浮体式に対応した風力発電機の開発や、コストなど、まだまだ課題が多いからだ。しかし、北海など遠浅の海が多い英国であっても、いずれは着床式を設置する場所がなくなり、浮体式の設置が必要になると考えられている。2030年における英国の洋上風力の開発予測は40GWだが、浮体式はそのうち1GWになるという。しかしその後は急速に拡大し、20GWが見込まれているという。

一方、日本は遠浅の海が少なく、浮体式洋上風力の必要性は英国以上だ。NEDOが行った浮体式洋上風力の実証試験には多くの日本企業が参加しており、今後の実用化をねらっている。

また、韓国も同様で、造船業界を巻き込んで、浮体式洋上風力の開発を進めている。最近では、オーストラリアのマッコーリーグループであるGreen Investment Groupが、韓国における浮体式風力のエンジニアリングを担当する企業として、英国のOffshore Design Engineeringを選定したという報道もある。

さらに中国では、海洋エンジニアリング企業の広州サルベージが、7月14日にソーシャルメディアを通じて、実証目的とはいえ、5.5MWの浮体式洋上風力を広東省陽江市沖に設置したと報道されている。

欧州の風力大手メーカーであるシーメンス・ガメサでは、風力発電の発電単価見通しを含むホワイトペーパーを今年発表したが、それによると、2030年には着床式洋上風力によるグリーン水素が、2035年には浮体式洋上風力によるグリーン水素が、化石燃料由来の水素よりも競争力を持つとしている。

浮体式洋上風力が本格化するまでには、10年以上の時間がかかるだろう。しかし、技術開発を含めたグローバルな競争は、すでに始まっている。

EnergyShift編集部
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