イオンは4月23日、千葉市に着工する同社初のネットスーパー専用配送センターに、第三者が設置・所有する太陽光発電から電力を購入するPPA(Power Purchase Agreement:電力購入契約)モデルを活用して、太陽光発電システムを設置すると発表した。イオンは200店舗以上にPPAモデルによる太陽光発電の導入を目指しており、今回の設置もその一環となる。
2023年の開業に向けて、千葉市内で建設を進める誉田CFC(カスタマーフルフィルメントセンター)は、次世代ネットスーパーの中心的な施設であり、AIとロボットを駆使した最先端の大型自動倉庫となる。
誉田CFCに、第三者が電力需要家の敷地や屋根などを借り受けて、太陽光発電システムを設置しその電力を需要家に供給するPPAモデルを活用し、出力3.3MWの太陽光発電を導入する。また300kWhの大型蓄電池を設置することで再エネ電力を最大限活用する。さらにイオングループでは、蓄電池の技術開発を行うため、AIを活用した省エネルギーの分析・評価をする実証実験も行う。
イオンの年間電力消費量は74億kWhと、日本全体の総電力使用量のおよそ1%を消費する大需要家でもある。そのため、同社は持続可能な企業活動の実現に向け、2050年までに店舗で排出するCO2などを総量でゼロにすることを目指しており、これまでも再エネへの転換や省エネへの推進を進めてきた。
再エネへの転換でイオンが特に注力するのが、PPAモデルを活用した太陽光発電システムの導入だ。
イオンが設定する再エネ電力の購入条件に応じる発電事業者を募り、店舗屋上などのスペースに発電設備を設置してもらい、そこで発電した電力を買い取っている。みずから初期投資をする必要がないため、発電設備の導入を加速できると期待を寄せてきた。
PPAモデルによる太陽光発電の設置は、2019年にオープンしたイオン藤井寺ショッピングセンターやイオンタウン湖南などを皮切りに各地で進んでいる。
イオンではPPAモデルで200店舗以上に再エネ発電設備を設置する目標を掲げており、今後もさらに設置店舗数を増やす構えだ。
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