さいたま小川町メガソーラー、自民県議団が中止要望 埼玉県知事「事業化は困難」 | EnergyShift

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さいたま小川町メガソーラー、自民県議団が中止要望 埼玉県知事「事業化は困難」

さいたま小川町メガソーラー、自民県議団が中止要望 埼玉県知事「事業化は困難」

埼玉県小川町で計画されている県内最大の太陽光発電施設の建設をめぐり、「大量の土砂搬入や地域環境の激変に対し、地域住民は大きな懸念を示している」として、埼玉県議会の自民党議員団が9月3日、大野元裕知事に計画の中止を求める要望書を提出した。大野知事は「地権者である小川町が一部の土地を売却しなければ、事実上、事業化はできない」と述べ、議員団の主張に理解を示した。

「さいたま小川町メガソーラー」事業は、小川エナジー合同会社が進めるプロジェクトだ。

発電出力は3万9,600kWと県内最大で、敷地面積86万2,000m2(東京ドーム18個分)という広大な山の斜面に盛り土をし、9万6,100枚の太陽光パネルを設置するというもの。

自民党県議団によると、盛り土量は72万m3にのぼり、この盛り土量は今年7月、静岡県熱海市で発生した土石流災害の発生地点にあった盛り土、7万4,000m3の約10倍の規模になるという。

熱海市の土石流災害においては、7月9日、「太陽光発電施設と土石流発生との直接的な因果関係は確認されなかった」とする静岡県と林野庁の調査結果が発表されている。

一方、小川町メガソーラーの事業予定地では、2019年の台風19号時に幅約40メートル、長さ約50メートルの地滑りがすでに発生している。また、事業地の周辺には土石流危険渓流や土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域があり、粘土質の山の斜面に盛り土をすると滑りやすいとして、中止要望書では「事業者はこの危険性を払拭しなければならない」とした。

さらに、盛り土のおよそ半分にあたる35万5,000m3は外部から残土を搬入するため、大型ダンプなどが1日157台(往復314台)、3年間にわたって通行するとされている。90秒に1台通行する計算で、「地域環境に甚大な影響を与える」と指摘する。

小川町もこのプロジェクトについて、「土砂災害」、「交通安全対策」、「産廃不法投棄」、「自然生態系」、「事業者の資金(信用)」などに課題があると指摘している。

中止要望に対し、大野知事は「われわれ自身が事業を中止することはできないが、専門家の知見も踏まえ、国に対して環境強化に関する意見を出したい。地権者である小川町が一部の土地を売却しなければ、事実上、事業化はできない」と述べており、小川町メガソーラーの着工は困難になりつつある。

EnergyShift編集部
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