北米における再エネ大手のネクステラ・エナジー株が最高値圏に上昇したことを9月7日付の日経新聞が報じた。前週に一時、86ドル51セントまで上昇。今年1月につけた87ドル69セントの高値に迫った。株高の背景には、米国の消費者間で再エネへの関心が高まっていることがあるようだ。
米バイデン政権は2035年までの電力部門の脱炭素化を公約に掲げており、再エネ開発を後押しする動きが加速している。米国エネルギー情報局(EIA)は7月7日、短期のエネルギー予測を公表し、2022年の総発電量のうち、再エネの構成比率が22.5%まで伸びるとの見通しを示した。石炭や原子力を抜いて、天然ガスに次ぐ2番目となる見込みであるとJETROが報じている。
フロリダ州を拠点とするネクステラ・エナジーは、時価総額が1,000億ドルを超える世界最大の電力会社だ。子会社のNextEra Energy Resources,LLC(NEER)およびその関連事業体を通じて、再エネ発電事業を行う。1998年以降、風力発電事業を次々に拡大し、現在では風力や太陽光による再生エネ発電では世界最大級の発電規模を誇る。さらに、天然ガスのパイプライン事業や送配電設備も所有・運用している。
長年蓄積されたノウハウと技術力をもち、風力のみならず、その他のクリーンエネルギーの分散化を進めるため、多岐にわたる分野で企業やプロジェクトに出資している。フォーチュン誌の「世界で最も称賛される企業2019」電気ガス業界部門でも第1位を獲得している。 さらに、再エネの発電コストの低さと高い成長性により、2020年秋には石油大手の米エクソンモービルの時価総額を一時抜き、米上場エネルギー企業のトップに上り詰めた。
脱炭素への取り組みは米国でもバイデン政権に移行してから極めて活発になっており、日本においてもレノバやウエストホールディングスが急速に上値を追ったこともここ数日間で報道された。一段の株高に伴い、各企業の持続的な収益力向上が注目されている。
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