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日本総研・東電ら、再エネ電力の地産地消に本腰 EVを活用でキーワードは地域配電

日本総研・東電ら、再エネ電力の地産地消に本腰 EVを活用でキーワードは地域配電

2021年12月07日

日本総合研究所や東京電力ホールディングス(HD)らは、2022年度から、福岡県と鳥取県で再生可能エネルギー(再エネ)による地産地消の配電事業の実証を始めると日経新聞が報じた。太陽光発電などの電気を余らせず、地域で使い切る。出力の安定性が課題視される再エネだが、電気自動車(EV)を蓄電池として使うなどして、出力のぶれを緩やかにする取り組みを行う。報道によると、参加するのはほかにENEOSホールディングスやINPEX、東急、住友電気工業など。データを収集し、2023年度の事業化を狙う見通し。

日本総研は今年の8月26日に「北九州・鳥取で地域企業連携による「新しい配電事業」の実現可能性を検証」として、北九州市の住宅街および鳥取市の自治体庁舎周辺における配電事業の可能性検証を開始した。検証は、両市における新しい配電事業モデル(6,600V配電網)の構築を目的に、約半年間でどれだけ地域の協力合意を実現できるかを測り、プロセスを検証するというもの。

北九州市には、EVの電気を充電・放電する設備を設置。700戸超の住宅の屋根に設置した太陽光パネルで、エリア内の電力需要をまかなう。

鳥取市では水力発電の電気を、700以上の世帯に供給すると報じられており、大規模停電時には大手電力の系統からそのエリアの配電網を外し、再エネの電気で地域内の需要をまかなえる構造作りを目指すという。

地域で創出された再エネ電力を域内で消費することは、災害時のライフラインの安定的な確保や地域活性化の意義に加え、送電ロスを防ぐメリットがある。

今回の実証は2020年6月に創設され、2022年から始まる「配電事業ライセンス制度」をにらんだものとなる。配電事業ライセンス制度では、異業種企業による配電事業への新規参入が可能となった。大手電力から民間企業が配電網を借りたり、譲り受けたりすることで、配電網を運用できるようになり、最終的にはIoT化による各インフラの統合・共同化を目指すことが可能となる。ライセンスを取得した企業は配電網の利用料を需要家から徴収することができるが、制度の具体的な詳細は検討中だ。

 

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