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一般炭の価格高騰 供給増は期待できず、今後も継続

一般炭の価格高騰 供給増は期待できず、今後も継続

2021年09月02日

発電ボイラー用の燃料として取引されている「一般炭」の価格上昇が続いている。

日本の石炭調達の68%を占める豪州炭の最近のFOB価格(本船渡し価格)は1トン当たり一時170ドル(約1万8,700円)を超えた。これは前年同時期の3倍超の水準で、9月以降も高止まりすることが予想されている。

7月にはFOB価格は1トン当たり200ドル(2万2,200円)に達し、過去1ヶ月で50ドルほども上がったことも報じられている。

一方、9月2日にオーストラリア連邦統計局が発表した7月の貿易収支は、前月比5%増で、鉱石、石炭、液化天然ガス(LNG)の輸出がいずれも大幅に増加。黒字が拡大して過去最高を記録した。北アジアで夏季需要が急増したほか、中国やインドネシアなど主要産炭地での供給減少の反映に加え、鉄鉱石価格が大幅に上昇したことが後押ししたようだ。

石炭やLNGなど燃料費の高騰などにより、東京電力や関西電力など、大手電力会社10社は10月の電気料金が値上がりすると8月27日に発表している。

9月2日付けの電氣新聞の報道によると、専門家は「新型コロナウイルスなどで減産しても、一般炭需要がすぐに減るわけではない」と指摘。一方、脱炭素の潮流の影響で新規炭鉱投資は減少しており、供給量の大幅な増加も見込めない。こうした需給の不均衡によって、高止まり状況はしばらく継続することが予想される。

EnergyShift編集部
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