アメリカのバイデン政権は、新疆ウイグル自治区における強制労働に関与したとして、中国の太陽光パネルの原材料などを製造する5社を貿易の制裁対象に加えた。中国は世界最大の太陽光パネルの生産地だが、材料のポリシリコンの多くが新疆ウイグル自治区でつくられているとして、アメリカ議会などで問題視されていた。
アメリカ商務省は6月24日、太陽光パネルの原材料であるポリシリコンなどを製造する中国メーカー5社に対して、アメリカ企業と事実上取引できなくなるエンティティリストに追加したと発表した。
エンティティリストとは、商務省が輸出管理法に基づいて、国家安全保障や外交政策上の懸念があるとした企業リストだ。リスト入りした企業は、アメリカ政府からの許可がなければ、アメリカ企業と取引ができなくなる。
制裁を受けるのは、ホシャイン・シリコン・インダストリー(合盛硅業)、新疆ダコ・ニューエナジー、新疆イースト・ホープ・ノンフェラスメタル、新疆GCLニューエナジー・マテリアル・テクノロジー、新疆生産建設兵団(XPCC)の5社。
商務省はこの5社が新疆ウイグル自治区での強制労働や人権侵害に関与した疑いがあるとして、制裁対象に追加したとしている。
中国は世界最大の太陽光パネル生産地であり、原材料となるポリシリコンの多くが新疆ウイグル自治区でつくられているとして、アメリカ議会などで問題視されていた。
ホワイトハウスは6月24日、「アメリカのすべての入港地の担当者に対して、ホシャイン・シリコン・インダストリーおよびその子会社が製造したポリシリコン製品の輸入を直ちに差し止めるよう指示した」と発表した。
一方、中国外務省は今回のアメリカの措置を強く非難しており、対抗措置も辞さない構えだ。
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