持続可能な社会の実現に向け、機関投資家が投資先を決める際、ESG要素を考慮するよう提唱した国連責任投資原則(PRI:Principles for Responsible Investment)の理事に、日本生命の木村武特別顧問が就任した。任期は2021年7月19日から2023年12月末までの約3年。
PRIは2006年、国連が年金基金や保険、銀行など大量の資金を使って株式や債券などに投資して運用する機関投資家などへESGを意識した投資をするよう提唱した世界的なガイドラインだ。
数十社の機関投資家でスタートしたPRIは、すでに4,000を超える企業・団体が署名しており、資産運用総額は121兆ドルを超える。ESG投融資において世界で最も重要視されているイニシアティブのひとつだ。
日本では2015年に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が署名したのを皮切りに拡大し、現在では90社を超える企業が署名する。
PRIの理事会は署名企業から選出された10名で構成されるが、その理事に日本生命の木村武特別顧問が就任した。日本人の就任はGPIFの水野弘道氏などに次ぐもので、保険会社からの就任は世界初だという。
日本生命は国内最大の生保であり、約70兆円もの資産を運用する機関投資家でもある。2021年4月からは保険契約者から預かった保険料を運用する投融資すべてにESG評価を取り入れると発表していた。今回の理事就任を機に、ESG投融資をさらに加速させる方針だ。
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