再エネ100%を保険であと押し 三井住友海上が環境価値の調達追加費用を補償 脱炭素実現に向けて | EnergyShift

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再エネ100%を保険であと押し 三井住友海上が環境価値の調達追加費用を補償 脱炭素実現に向けて

再エネ100%を保険であと押し 三井住友海上が環境価値の調達追加費用を補償 脱炭素実現に向けて

EnergyShift編集部
2021年04月28日

三井住友海上火災保険は4月27日より、再生可能エネルギー電力を使ったとみなす「グリーン電力証書」の発行事業者を対象に、災害などのトラブルでグリーン電力の発電が止まり、CO2を排出しないという環境価値が調達できず、通常より割高となった環境価値の追加費用を補償する保険をスタートさせた。

脱炭素実現に向け、加速度的に拡大するグリーン電力証書

販売するのは、再エネ電源で発電した電力を使ったとみなす「グリーン電力証書」の安定供給を支援する「グリーン電力証書安定供給支援保険」である。

再エネ電力は、「電気そのものの価値」に加えて、化石燃料の節減といった省エネルギーやCO2の排出を削減できる「環境価値」を持っている。

発電事業者による再エネ発電を前提に、この環境価値はグリーン電力証書という形で流通している。証書販売による収益は、再エネ発電所の維持や新規建設費用などに充当されるため、脱炭素社会の実現をあと押しすると期待されている。

再エネ電源をみずから投資・保有することが難しい企業や自治体などにとっても、グリーン電力証書を購入した分だけCO2を排出しない電力を使っているとみなされるため、購入量が拡大している。

特に、使う電力を再エネ100%への転換を目指す企業が日本でも100社を超えており、脱炭素の流れが進めば進むほど、証書の発行数も加速度的に増加すると予想されている。

その一方で、地球温暖化に伴う気象災害の増加によって、環境価値を生む再エネ発電所自体が稼働停止に陥るリスクも高まっている。

台風などの自然災害などによって発電所が損壊した場合、証書発行事業者は予定していた環境価値を調達できず、通常よりも割高な費用を投じ、他の再エネ発電所から代替の環境価値を入手する必要がある。

三井住友海上では、発行事業者にこうした追加費用を補償する。

同社が想定するトラブル事例は次の3つ。

  • 対象施設の設備の故障
  • 台風等の自然災害による対象施設の損壊
  • 対象施設が工場自家発電の場合、工場自体の操業停止

日本でも脱炭素が本格しつつある。三井住友海上では、拡大が予想されるグリーン電力証書を保険であと押しすることで、自社の収益拡大にもつなげたい考えだ。

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