11月26日、ENEOSホールディングス傘下のJX石油開発は、同社が100%出資する英国子会社の全株式を、資源開発の英ネオ・エネルギーに売却すると発表した。同社が100%出資する英国子会社の全株式を、資源開発の英ネオ・エネルギーに売却する。今回売却される子会社はJX Nippon Exploration and Production (U.K.) Limited。英国で石油・天然ガスなど鉱物資源の探鉱や開発などを行っており、ENEOSによると売却価額は16億5,500万ドル(1,885億円)だという。
JX石油開発は、ENEOSグループが掲げる2040年長期ビジョンにコミットし、これまでにベトナムやマレーシア、オーストラリア、米国で環境対応型事業を推進してきた。現在は米国テキサス州でPetra Nova CCUSプロジェクトを推進している。
CCUSとは、「Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage」の略で、「CO2回収・利用・貯留」技術と呼ばれ、発電所などから排出されたCO2を、他の気体から分離して集めて有効利用しつつ、地中深くに貯留・圧入するものだ。
CO2回収装置は2016年末に稼働を開始し、これまでに360万トン以上ものCO2を回収した。装置の耐用年数は約30年と見込まれており、今後も同発電所から排出されるCO2の回収を継続する予定だ。
ENEOSは2023年3月期までの中期経営計画で油田の権益などを売って2,200億円の現金を創出し、水素や再エネなどに4,000億円を投じる方針を打ち出している。今回の売却は長期ビジョンの実現に向けた更なる一歩であるとしている。
ヘッダー写真:円周率3パーセント, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
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